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断熱・省エネ
更新日:2024年12月24日
外壁の断熱リフォームで省エネを実現!その効果や工事の種類について解説 NEW
2022年10月28日掲載
外壁の断熱性能が低い住居は外気との熱移動が多くなるため、室内は夏の暑さや冬の寒さに悩むものです。また、冷暖房の効率も悪くなるため、光熱費が高くなってしまいます。
一方、断熱性能が高い家は、冬場は室内の熱を外に逃しにくく、室内は快適な温度を保てます。この記事では、外壁の高断熱化で得られる効果や断熱リフォームの施工方法を解説します。施工方法にはいくつか種類がありますので、ご自宅に合う断熱施工方法を検討しましょう。
外壁の断熱で得られる効果
外壁の断熱性能を高めることには、さまざまなメリットがあります。まずは外壁を断熱リフォームすることで得られる主な効果を確認しましょう。
寒暖効果
外壁を断熱リフォームすると、室内の暖かい熱が外に漏れることを防ぎます。夏は外からの熱を遮断し、冬は室内の暖かさが外に逃げにくくなります。高断熱化によって一年中室内の温度を快適に保てます。
省エネ
外壁の断熱リフォームをおこなって断熱性能を高めると、室内は外気温の影響を受けにくくなり、夏や冬にエアコンを使用する頻度が減ります。室内の暖かさや涼しさを外に逃しにくくすることで暖房や冷房の運転を開始した直後、暖冷房が効きやすくなるため、短時間で快適な温度になり、使い過ぎの防止になります。
エアコンなどの冷暖房器具を使用する頻度が減れば、電気やガスの消費量を省エネできて家庭でのCO2排出量を減らすことが可能です。省エネで環境にやさしいだけでなく、光熱費も減らせるので家計の節約になるでしょう。
結露・カビ抑制
冬は窓や壁の結露に悩んでいるご家庭も多いのではないでしょうか。空気中に含むことができる水蒸気の量は、空気の温度によって異なります。温度が高いほど水蒸気を多く含むことができるため、暖房した暖かい部屋の空気は多くの水蒸気を含んでいます。
しかし、断熱性能が低いと窓ガラスや壁面が外気によって冷えているため、暖かい空気が冷やされ、保持できなくなった水蒸気が壁やガラスの表面で水滴となって結露が発生するのです。リフォームで断熱性を高めると、壁や窓の表面温度が上がることにより、結露を予防できます。結露はカビやダニが発生する原因になるため、断熱することでカビの抑制にも効果があります。
家屋の老化予防
湿気や結露は家屋にカビを発生させ、腐食の原因にもなります。外壁の断熱性能を高めると湿気や結露を抑えられるため、家屋の老化予防に効果的です。住宅の経年劣化は避けられませんが、断熱リフォームすることで快適な状態を維持し、家屋の寿命を延ばせます。
家族の健康
断熱リフォームは、家屋だけでなく家族の健康にも良い効果があります。室内が外気の影響を受けにくくなることで夏の熱中症対策、冬のヒートショック対策になります。
ヒートショックとは、部屋ごとの温度差によって急激な血圧の変化が起こり、心筋梗塞や脳梗塞、不整脈などを引き起こすことです。冬場に発生することが多く、高齢の方はとくに注意が必要です。断熱リフォームすることで室内が外気の影響を受けにくくなることから、各部屋の温度差が少なくなります。身体への負担を減らせるため、ヒートショックのリスクを減らすための対策になります。
また、結露を防ぐことでアレルゲンとなるカビやダニ対策にも効果的です。断熱リフォームをすることによって、家族の健康に配慮した住まいづくりができます。
外壁断熱リフォームの施工法
外壁断熱リフォームの施工法は、大きく分けて「外断熱」と「内断熱」があります。外断熱と内断熱の違いは、断熱材を入れる場所の違いです。また、外断熱には「外断熱工法」と「外張り断熱工法」があります。この2つの違いは、建物の構造体によるものです。
外壁断熱リフォームは、施工法によって断熱性や気密性、費用、結露のしにくさなどが異なります。ここからは、「外張り断熱工法」「外断熱工法」「内断熱工法」のそれぞれの特徴やメリット・デメリットについて解説します。
外張り断熱工法
「外張り断熱工法」とは、主に木造住宅や鉄骨造住宅に用いる工法です。柱の外側から板状の断熱材で壁全体を包み込むため、断熱性や気密性が安定します。建物の外側を断熱材で覆う工法のため、外張り断熱工法も「外断熱」と呼ばれることもあります。
メリット
外張り断熱工法のメリットは、柱の外側から断熱材で覆うため、コンセントや配管に妨げられることなしに断熱材を隙間なく敷き詰められることです。このことにより、室内側表面では場所によって温度差が生じないため、結露を防いで住宅を長持ちさせられます。また、室内側の柱と柱の間は断熱材で覆う必要がないため、空間を広く確保できることもメリットの一つです。外側から施工するため、リフォーム中も住み続けられることもメリットといえます。
デメリット
一方、外張り断熱工法のデメリットとしては、外壁が厚みを増すことが挙げられます。柱の外側に断熱材を施工するため、施工前より外壁全体が大きくなるからです。そのため、狭小地や住宅密集地では、施工が難しいかもしれません。内断熱工法に比べると施工工程が増えるため、費用が高いこともデメリットといえるでしょう。
なお外張り断熱工法をおこなう際、壁にカビが繁殖しているとそのままリフォームできません。その場合、まずは壁の撤去工事が必要です。
外断熱工法
「外断熱工法」とは、主にRC(鉄筋コンクリート)造に用いる工法です。外断熱と外張り断熱の違いは、建物の構造体の違いによるものです。外張り断熱は木造住宅や鉄骨造住宅など、熱容量の小さい躯体の外側に断熱材を施工します。一方、外断熱は鉄筋コンクリート造のように熱容量の大きい躯体の外側に断熱材を施工する工法です。
外断熱工法は、コンクリートの外側を断熱材で包み込むため、熱の出入りを建物の外で断ち切ります。コンクリートには熱を蓄える蓄熱効果がありますが、外断熱工法はコンクリートを外気から遮断するので、熱容量の大きさ、蓄熱効果を活かし、夏は涼しく冬は暖かい空気を保てます。
メリット
外断熱のメリットとしてコンクリートの構造躯体の外側から施工することで、断熱材の切れ目が少なく施工され、コンクリートの熱容量を最大限活用できることです。
デメリット
一方、デメリットとしては外壁が厚くなることで、建物の敷地に余裕がなければ施工が難しいことが挙げられます。また、外断熱は建物の周囲を包み込むように断熱材を施工するため、材料が多く必要です。施工に手間がかかるため工期も長く、内断熱工法より費用がかかります。
内断熱工法
「内断熱工法」は、正式名称を「充填断熱工法」といいます。柱と柱の間に断熱材を充填して施工する工法です。外断熱と内断熱の違いは、断熱材を入れる場所の違いです。
また、外断熱は使える断熱材が限られていますが、内断熱は使える断熱材の種類が多いことも特徴です。しかし、気密性に関しては外断熱の方が優れています。外断熱は建物全体を断熱材で覆いますが、内断熱は柱やコンセントボックスなど断熱材を施工できない部分があるため、若干、漏気がしやすくなってしまいます。
メリット
内断熱のメリットは、施工費が安く抑えられることが挙げられます。内断熱は柱と柱の間に断熱材を充填するだけなので、外断熱に比べて施工に手間がかからないことで、費用を安く抑えられます。昔から一般的な方法であるため、対応できる施工業者が多いこともメリットの一つです。また、外壁に影響しないため、デザイン性のある住宅や、狭小住宅にも向いています。
デメリット
一方、内側で熱を遮断するため、冷暖房を使用するとすぐに適温になりますが、断熱材が施工されていない部分(熱橋(ねっきょう))で熱損失が生じてしまいます。
工事期間は外断熱に比べて短いものの、室内で工事をおこなうため、家具類を移動させる必要があります。
まとめ
外壁を断熱リフォームすることで、外気の影響を受けにくくなり、夏も冬も快適に過ごしやすくなります。冷暖房を使う頻度も減るため、省エネできて光熱費を節約できるでしょう。また、結露を抑えられるため、カビや構造躯体の腐食を抑制できて住まいを長持ちさせることもできます。
外壁断熱リフォームの施工法には内断熱工法、外断熱工法、外張り断熱工法の3種類があります。それぞれにメリットとデメリットがありますので、前もって確認しておくと良いでしょう。どの工法にするかは、家の構造や予算などをポイントに、信頼できるリフォーム会社と相談しながら決めることをおすすめします。
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