リフォームを学ぶ | 外構
外構
更新日:2024年12月24日
車椅子でも大丈夫!段差のない外構に NEW
手すりの高さは75~85㎝に設置
外構のリフォームを考えるとき、現在のことだけでなく将来のことも視野に入れて計画することが大切。誰もが車椅子のお世話になるわけではありませんが、もし車椅子生活になっても不自由なく暮らせるように整えた環境は、健常者にとっても暮らしやすいものです。
厚生労働省の調査によると、家庭内の事故で死亡に至る割合のうち、転倒や転落によるものは18.6%を占めています(人口動態統計 平成27年)。特に階段など段差がある場所では、転倒・転落による事故が起こりがち。すでに新築住宅では、階段に手すりをつけることが義務づけられました。高齢者は年齢を重ねるにつれて足腰が悪くなり、ちょっとしたことで体のバランスを崩してよろけることも。移動を楽にするとともに、安全に昇降ができるように手すりをつけましょう。手すりがあると、夕方、暗くなって見づらいときにも歩行を助けてくれます。
手すりの高さはメインで使う人が使いやすい高さにしましょう。腕をまっすぐにのばしたときの手首の位置、腰骨のあたりが使いやすいといわれています。身長により高さが違ってきますが75~85㎝が標準の高さ。手すりは太すぎても細すぎてもうまく握れないもの。握りやすい太さのものを選びましょう。断面は円形が一般的ですが、横長の楕円形の手すりは、手のひらでしっかり持てるため体のバランスが取りやすくなります。屋外に設置するものなので、さびにくいステンレス製がおすすめです。
理想的なスロープの傾斜角度は5度
将来、車椅子で移動するかもしれないことを考えると、玄関のアプローチにはリフォームでスロープを設置することをおすすめします。玄関までの高さや家のまわりの環境などで、スロープの角度や距離は違ってきます。家族全員がスロープを使うわけではないので、階段とスロープの併設が一般的。
車椅子で自走する場合のスロープの勾配は、ゆるやかにした方が楽に昇降できます。おすすめは傾斜角度5度。段差が30㎝の場合、スロープの長さは3.6mになります。補助する人が押して昇降する場合は傾斜角度10度。この角度なら電動車椅子での自走移動が可能。車椅子は重心が高めで転倒しやすいので、15度以上は避けた方が良いでしょう。高低差が大きく、スロープが長くなる場合は折り返しにし、折返点には踊り場を設けます。
スロープの幅は、車椅子が安全に通行できるようにできるだけ広めに取りたいもの。とはいえ、日本の住宅のアプローチは狭いので、1m以上というのが目安になります。スロープの踊り場では車椅子を回転させなけれればいけないので、幅1.5m程度のスペースが必要に。床面の素材を石やタイルにすると、雨の日は滑りやすくなって危険です。コンクリート敷きにし、ホウキで掃いたような模様をつける「ハケ引き仕上げ」にすると滑りにくくなるのでおすすめ。車椅子がスロープから飛び出ないように両側には縁石を設け、手すりも設置します。
長い階段なら屋外用階段昇降機がおすすめ
外構のバリアフリーリフォームで、意外に見過ごしがちなのが門扉と玄関ドア。いずれも開き戸の場合が多いのですが、補助をしてくれる人がいない状態で車椅子の人が開き戸を開閉するのはとても大変です。引戸にリフォームし、車椅子でも入りやすい開口幅を確保するようにしてください。場所の関係で玄関を引戸に替えられない場合は、玄関を別の場所に作ったり、別のところに出入口を設けるのも一案です。
玄関アプローチや庭には、足元灯をつけるのがおすすめ。屋外用の防雨防湿タイプの照明は、雨やホコリから守るためガラスで密封されていることが多いです。アプローチが長い場合は要所要所に設置して、より安全に移動できるように。夜間に照明があると、防犯にも役立ちます。夜だけ自動で点灯するタイマー機能つきや、ソーラーパネルで発電するタイプなど、いろいろな商品が揃っています。
また、玄関アプローチにスロープをつけるスペースがない場合や、階段が長くて勾配も急というようなときには、屋外用階段昇降機も選択のひとつ。今ある階段にレールを取りつけて昇降するため、大がかりな外構のリフォームは必要ありません。直線の階段はもちろん、L字型階段にも取りつけ可能。「巻き取り式安全ベルト」「座ってから初めて入るスイッチ」「障害物に当たると自動停止」など、安全面にも配慮されています。
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