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更新日:2024年05月07日
【事例ご紹介】スケルトンリフォームとは?メリット&注意点、費用相場をまとめました
掲載日:2024年5月7日
スケルトンリフォームは、近年人気のリフォーム方法です。
このリフォーム方法には多くのメリットがある一方で注意すべき点もあるので、どのようなリフォームかをしっかり把握しておきましょう。
今回はスケルトンリフォームに焦点を当てて、メリットや注意点、費用相場を解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
スケルトンリフォームとは
スケルトンリフォームとは、住宅の内装や設備を全て解体して骨格のみを残すリフォームです。スケルトンとは英語で「骨格」の意味で、建築業界においては柱・梁・床といった躯体のみを残した状態を指します。骨格以外を丸ごと変更できるため、理想のリフォームを実現しやすいのが魅力です。例えば、以下に当てはまるケースに適しています。
また、スケルトンリフォームには大きく分けて以下3つの種類があります。
内部スケルトンリフォーム
外壁をそのまま残して、住宅の内部のみをスケルトンリフォームする方法です。外壁に傷みが少ない場合に適しており、間取りの変更はもちろん水回りや階段の位置なども変えられます。外壁の解体がない分、費用を抑えられるのがメリットです。また、壁の内側に断熱材を入れたり、柱や基礎に耐震補強を施したりにも対応できます。なお、マンションの場合は専有部分のみのリフォームになるため、基本的に内部スケルトンリフォームになります。
外部スケルトンリフォーム
内部スケルトンリフォームとは真逆で、住宅の内部をそのままに外壁だけ解体するリフォームです。外壁の傷みがひどく、塗装だけでは対応できない場合に適しています。住宅内部を解体することなく断熱材を入れたいケースや、外断熱構造にしたい場合に採用されています。
内部+外部スケルトンリフォーム
住宅の躯体のみを残して全て解体するスケルトンリフォームです。建て替えできないケースや、既存の住宅よりも狭くしたくないという要望がある場合に適しています。さまざまな要望に対応しやすく、理想の家づくりを実現できるのが魅力です。ただし、躯体を傷つけずに解体する必要があり、工事は手作業になります。建て替えよりは安いものの、スケルトンリフォームの中でもっとも費用がかかります。
スケルトンリフォームのメリット
それでは、スケルトンリフォームにどのようなメリットがあるのか、さらに理解を深めていきましょう。
間取りの自由度が高い
スケルトンリフォームは、希望する間取りに変更しやすい自由度の高さがメリットの一つです。どのような間取りが適しているのかは、家族構成やライフスタイルによって異なりますし、子どもが生まれるなどして時代と共に変化します。現状での住みやすさや将来を見据えた間取りなど、さまざまな点を考慮して間取りを決められるのがスケルトンリフォームの魅力です。また、家全体をバリアフリーにしたい場合にも適しています。
配管や配線を変更しやすい
水回りの配管は建物より寿命が短く、老朽化が進むと水漏れや錆び付きのトラブルが発生します。スケルトンリフォームなら、キッチンやトイレ、浴室などのレイアウトを変更する際に配管の位置を併せて変えられるのがメリットです。また、水回りのレイアウトを変更せずに、配管のみの交換にも対応できます。
電気配線の老朽化が進んでいる場合も、スケルトンリフォームなら修繕や交換に対応可能です。例えば、全室にテレビのアンテナ線やインターネット回線を通すといった要望にも対応できるでしょう。
内装を好みに合わせられる
内装を好みに合わせて大きく変えられるのも、スケルトンリフォームのメリットです。色や素材を部屋の用途やインテリアなどに合わせて自由に決められます。部分リフォームのように、新しい部分と張り替えた部分がちぐはぐになる心配もありません。内装で家の雰囲気や住みやすさが変わる場合もあり、間取りと併せて内装を丸ごと変更したい方にスケルトンリフォームは適しています。
家全体を一新しやすい
スケルトンリフォームでは、内装や設備などを総取り替えして家全体を一新できるのがメリットです。間取りの変更はもちろん、床暖房を入れたり、オール電化住宅にしたりといった希望のリフォームを実現できます。コンセントの位置変更や増設、エアコンの移設なども問題なく対応可能。家族構成やライフスタイルの変化によって不便になった部分を解決し、家族全員が快適に暮らしやすい家づくりを実現するのがスケルトンリフォームなのです。
住まい全体のコンセプトを統一したい場合にも、スケルトンリフォームが適しています。例えば、北欧風のおしゃれな家にしたい、ペットとの暮らしやすさを重視したいといった具体的なテーマが決まっていれば、スケルトンリフォームを検討してみましょう。
断熱・耐震・防音対策を実施しやすい
躯体以外をすべて取り除くスケルトンリフォームは、状況をチェックしながら断熱・耐震・防音対策を実施しやすいのがメリットです。施工されている断熱材の性能が低く、冷暖房効率が低下しているなら、新しい高性能な断熱材との交換や追加で省エネ効果がアップします。さらに窓を二重サッシや複層ガラスにするとより断熱効果を高められるうえ、防音性も向上します。
躯体をあらわにして点検できるので、耐震性を強化しやすい点にも注目です。古い住宅は現行の耐震基準を満たしてないケースが多く、大きな地震に耐えられる安心して暮らしやすい家づくりを実現します。
スケルトンリフォームの注意点
スケルトンリフォームには多くのメリットがある一方、注意すべき点もあります。以下で挙げたポイントも把握して、どのようなリフォームを計画するべきなのか検討しましょう。
部分リフォームよりもコストがかかる
施工範囲の広いスケルトンリフォームは、部分リフォームよりもコストがかかりがちです。希望通りの仕上がりを実現するにはどのくらいの費用がかかるのかという点は、リフォーム会社と話し合いしっかり確認しましょう。
規約でリフォームが制限される場合がある
マンションでは、管理規約によってリフォーム内容が制限される場合があります。マンションにお住まいでスケルトンリフォームに興味があるなら、まずは管理規約を確認しておきましょう。また、マンションでは構造上の問題から、希望通りのスケルトンリフォームができないケースもあります。取り外せない間仕切り壁があるなど、自由度が低い点に留意しておきましょう。
工期が長くなる
部分リフォームと比較すると、スケルトンリフォームはどうしても工期が長くなります。住宅の規模や施工内容にも異なりますが、内部スケルトンリフォームで約3ヶ月、外部も含めると4~5ヶ月ほどが工期の目安です。マンションでも最低2ヶ月ほどの期間が必要になります。
また、スケルトンリフォームでは仮住まいが必須です。工期が長くなるほど仮住まいの期間が長くなり、その分、費用もかかってしまいます。リフォーム会社によっては引っ越しや仮住まいの手配まで、まとめて依頼できる場合もあるので相談してみましょう。
売却時に価値が下がる場合がある
スケルトンリフォームは自由に間取りを決められるのが魅力ですが、こだわりすぎたばかりに売却価格が下がってしまうケースがあります。奇抜なデザインや個性的な間取りの家は万人受けしにくく、売却するのが難しい場合があるからです。将来的に売却を予定しているなら一般的に住みやすいと感じる仕上がりにしたほうが安心です。
スケルトンリフォームの費用相場
スケルトンリフォームの費用は、建物の規模や状態、施工内容によって大きく異なりますが、大まかに新築の1/3~2/3程度とされています。木造戸建のケースで、1坪あたり40~70万円程度が目安です。30坪なら、およそ1,200~2,100万円が相場となります。
マンションの場合は戸建のような耐震補強などの費用がかからないため、1坪あたり30~60万円ほどが目安です。ただし、設備やグレードにこだわると戸建よりも高くなるケースがあります。
費用相場はあくまで目安です。先述の通り、建物の規模や状態、施工内容によって大きく異なりますので、具体的な見積りについてはリフォーム会社に確認しましょう。
スケルトンリフォームのリフォーム事例
ここからは、スケルトンリフォームのリフォーム事例を「リフォーム評価ナビ」からご紹介しますので、見ていきましょう。
※以下の参考事例は全て「リフォーム評価ナビ」登録事業者の施工事例です。
左:リフォーム前、右:リフォーム後
【築29年】戸建てフルリノベ|リノベ・デザイン 山形店のリフォーム事例
外観を一新し、内部を一部残したリノベーション。
二世帯化のため、広々としたLDKを確保し、ご家族の笑顔があふれる素敵な空間を実現しました。
2階は若夫婦ご家族のプライベート空間になっており、それぞれの生活スタイルに合わせた間取りも魅力的です。
左:リフォーム前、右:リフォーム後
二世帯住宅・増築・リノベ|ユーアイホーム株式会社のリフォーム事例
二世帯住宅にする為、2階の全てをスケルトンまで解体して、新たな間取りにリノベーション。
洋室2部屋分のスペースをLDKにリフォームし、寝室・書斎・水まわりも一新。
玄関やベランダを増築し、キッチン・脱衣所も新設しました。
左:リフォーム前、右:リフォーム後
吹き抜けのある明るいLDKへ|植村産業株式会社(ue_bo design)のリフォーム事例
ご家族構成の変化に伴い、同居対応するためのリフォームをご希望でした。
築年数はそれほど経過していませんでしたが、各居室が大きいからか冬場はとても寒さを感じましたので、間取りの変更はもちろん断熱性を高めるためサッシ・断熱材をすべて交換しました。
採光のため、吹抜にした部分は梁が見えてくるのを活かし、床の無垢材に加えて、リビングの壁掛けテレビ設置面にもアクセントにレッドシダー羽目板をご提案致しました。その他、生活しやすいこだわりを各所に感じられるリノベーションです。
まとめ
スケルトンリフォームは間取りやデザインの自由度が高く、理想の家づくりを実現するために有効なリフォーム方法の一つです。しかし、多くのメリットがある一方で注意すべき点もありますので、十分理解したうえで計画を進めていくのが重要です。
スケルトンリフォームを検討するなら、まずは実績豊富なリフォーム会社を探して、具体的に相談してみることをおすすめします。
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