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更新日:2024年12月24日

少しゆったりした我が家です。どうぞよろしく! NEW

子供たちが使っていた部屋や荷物の入っていた納戸、自転車・バイクや車を停めていた場所、子供が独立すると住まいに新しく空いた空間が生まれます。そこはどう使いますか?趣味や接客の場として使うなど、現在の暮らしに合わせた利用の仕方もあります。動線や屋外との関係を変えたり、公私の区分を明確に分けるなど、少し先の生活に備えて工夫する変え方もあります。生まれた空間を積極的に活かす方法を色々考えてみましょう。

家の中に生まれた場所…部屋の転用

写真:家の中に生まれた場所…部屋の転用
子供が進学や就職、結婚などで家を出る時期は、ちょうど親の働き方にも変化が訪れる頃。勤め先や勤務形態が変わったり、暮らし方や交流関係も変わり始めるセミリタイア時期などと重なることも多いです。
これまであまり時間が取れなかった趣味の作業にじっくり取り組んだり、興味を持っていた勉強や活動を新しく始めたり、子育て卒業と前後して、自分のための時間を楽しめる時期になります。リタイア後は、昼間勤めに出ていた家族も家で過ごす時間が増え、家の中でそれぞれ居場所の調整が必要になることも。そんな時、子供たちの荷物を整理し片付けると、子供部屋や納戸などに新しい空間が生まれます。
空いた部屋を書斎や趣味の作業部屋にしたり、夫婦それぞれの独立した寝室に転用したり、これまで集めてきたコレクションを見せるギャラリーや地域活動の拠点として公開したり…。夫婦がそれぞれ充実した時間を過ごすための空間を作ることができます。また、独立した子供の新しい家族と交流したり、盆暮れの長期休みに気兼ねなく泊まり、ゆっくり滞在できる客間として整備したり、仲間と大人数で料理を作って食卓を囲める接客空間を設けたりという改修もあります。
設備のリフォームや仕上げのリニューアルと併せて、新たに生まれたゆとり空間を家族や地域との交流の場として整えて、住まいと暮らしに新しい活気を呼ぶことができます。

外も使おう!部屋につながる屋外空間

写真:外も使おう!部屋につながる屋外空間
子供たちが独立すると、家の中の部屋だけではなく建物の外にもゆとりの空間が生まれることがあります。自転車やバイク置き場・カーポートが空いたり、物置の中が片付いて物置のあった場所を空けることができたり…。こうしてできた屋外の空間を利用して、趣味の部屋やリビング、客間などとつながる屋根のあるテラスやベランダ、サンルームなどを設けることができます。
サンルーム状の空間は、雨や花粉を気にせず洗濯物が干せる便利な場所になります。また、屋内の部屋とつながる半戸外のくつろぎスペースとして、庭や植物を楽しむアウトドアリビングにもなります。部屋と庭とをつなぐ土足の空間であれば、ガーデニングなどの作業やペットとの暮らしを楽しむ場所になったり、縁側のように住まいを訪ねてくる人との交流の空間にもなります。庭を通って玄関以外から家に人が出入りできる空間になるので、住まいの一部を公私に分けて使いたいときにも利用できます。
このように、ゆとり空間の活用を屋外空間にも拡げて考えてみると、趣味や交流の空間の可能性は大きく広がります。ゆとり空間の活用は、屋内の空き部屋の一時利用に留まらず、リタイア後の新しい拠点や居場所づくりにもつながります。建物外部の更新やお手入れと併せて、積極的な改修を考えてみてはいかがでしょうか?

もう一度、ゾーニングや動線の見直しも?

写真:もう一度、ゾーニングや動線の見直しも?
子供が独立し、建物の中や外部にゆとりが生まれた住まいは、夫婦二人の暮らしに合わせた色々な使い方ができます。生活スタイルが変わるこのタイミングには、住まいのお手入れや設備機器の更新と併せて、まとまったリフォームを検討する場合が多いのではないでしょうか。このタイミングでのリフォームを成功させるポイントは何でしょうか?
まず、「これからどんな暮らしがしたいのか」を夫婦でよく話し合うことです。お互いに分かり合っていると思いがちですが、実際に話し合ってみると今まで知らなかった希望などが出てくるものです。これまでは家で過ごす時間がほとんどなかった人、一日中ひとりで家を使っていた人もいます。ただ、夫婦二人共が日中も家で過ごす時間が増える暮らしは、お互いに初めてです。これからはそれぞれどう暮らしたいと考えているのか、当面の生活における優先順位は何なのか、どんな時間を大切にしたいのか、お互いに伝えあってゆとりの空間の使い方やリフォームの仕方を検討しましょう。
ゆとりの空間も、ただ増えた場所として使うだけではもったいない。この機会に、場所ごとの機能とゾーニングを見直して、お互いにストレスの少ない暮らしになるよう整理をしたり、訪問者と家族の動線を分ける工夫を考えたりしましょう。
そしてできれば当面の暮らしだけではなく、少し先にある暮らしや状況のことも考えてみましょう。例えば介護が必要になって、ベッドのある部屋を中心に過ごすようになった時はどうでしょう?外部の介護者は、家族がくつろぐ場所などを通らずに、直接ベッドのあるプライベートな部屋に行ける動線があると便利です。また、ほとんどベッドの上で一日を過ごす事になった時、ベッドの場所はどこが良いのでしょう。日中や夜間も、いつも家族が近くにいる場所が良いのでしょうか…?
お互いの希望を色々話し合い、専門家ともよく相談して、リフォームを進めましょう。

執筆者情報

写真:執筆者情報
村上 まみさん/一級建築士(住まいのナビゲーター)

大学院では歴史的町並みの暮らしとかたちの調査研究を専攻。修了後、住宅を中心にじっくりと仕事を進める小さな設計事務所に7年勤める。関わった人々から学んだものづくりの姿勢と仕事の進め方をベースに、独立して住宅の設計監理・コンサルの仕事を続けて現在に至る。平成14年より住まいのナビゲーター。趣味は活字を読むことと体を動かすこと。悩みや感動を分かち合う仲間とのおしゃべりと食事がエネルギー。
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