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更新日:2024年12月24日

身近なバリアフリーの例を総まとめ バリアフリー住宅の事例も紹介 NEW

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今回は、私たちの身近にあるバリアフリーにはどのようなものがあるのかをまとめ、住まいづくりにバリアフリーの考え方を活かした、バリアフリー住宅について紹介していきます。

この記事を読むことで、私たちの身の回りにはどのようなバリアフリー設備があるのか、住宅においてどんなバリアフリーデザインを採用できるのか、詳しく知ることができます。

ぜひ最後までお読みください。

街の中でみられるバリアフリーの例

私たちが普段生活している場所は、多くのバリアフリーデザインで溢れています。

まずは、街の中でもみられる身近なバリアフリーデザインの設備を紹介していきます。

スロープ

スロープは、階段や段差などを登り降りすることが難しい方のための設備です。

主に人が多く出入りする大型ビルや商業施設の出入り口などで見ることができます。

段差のある場所にスロープを設置することで、階段などの段差を使用せずに出入りや移動ができるようになります。

そのため、車椅子や杖を利用して移動する人などが高低差のある場所を楽に移動することができる利点があります。

音声案内

音声案内は、主に視覚に障がいのある人が移動や案内を受けるためのバリアフリー設備です。

音響信号機や、電車のホーム、エレベーターなどで見ることができます。

音声で信号の色を教えることや、今いる場所がどこなのか、どこに向かえばいいのかを案内することで、快適な施設の利用や移動時の手助けになっています。

点字ブロック

点字ブロックは、街中や駅のホーム、公共施設の中で見ることができます。

点字ブロックは、主に視覚に障がいのある人の移動や停止をサポートする役割があり、複数の種類に分けられます。

具体的な種類としては、目的地に向けてまっすぐ進むことを案内する「誘導ブロック」と、障害物や分岐点などを示す「警告ブロック」があります。

視覚に障がいのある人にとっては、案内なしでまっすぐ進むことが難しかったり、歩道と横断歩道の境目などの区別がつきにくかったりします。そのため、経路案内や停止案内ができる点字ブロックを設置することで、視覚に障がいのある人の快適な移動をサポートすることができます。

ノンステップバス

ノンステップバスとは、車椅子利用者や足腰が弱い人でも快適に利用できるように作られたバスのことです。

たとえば、ノンステップバスは通常のバスに比べて車高が低く、バス側からスロープを下ろすことができるため、車椅子利用者や足が不自由な方であっても楽にバスに乗り降りできるといった特長があります。

それ以外には、乗降口や車内に段差がないだけではなく、車椅子利用者が車内で快適に待機できるようなスペースを設けているバスや、車椅子利用者が車内を移動しやすいよう幅を広くにとっているバスなどがあります。

もちろん、それらのバリアフリー機能をすべて集約させたノンステップバスも多く見られます。

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バリアフリーは住宅・住まいづくりにも採用できる

ここまで紹介したものは街中や施設で見ることのできるバリアフリーですが、バリアフリーデザインは普段生活する住まいづくりにも採用することができます。

障がいや高齢化によって何かしらの身体的な不自由があっても快適に暮らすことができる住宅は、家庭内の誰にとっても安心して暮らすことができる住宅といえます。

また、現在健康な人であっても、今のうちにバリアフリーデザインを採り入れた住まいづくりを考えることは大きなメリットがあります。どれだけ健康なであったとしても、いつかは必ず高齢者となり、将来、身体的な障がいを負う可能性はゼロではないためです。

ここでは、バリアフリー住宅はどのようなもので、その設備や機能にはどのようなものがあるのかを詳しく紹介します。

バリアフリー住宅とは

バリアフリー住宅とは、高齢者や障がい者だけではなく、妊娠中の方や小さな子どもといった様々な人にとっての障害を取り除き、それぞれが生活しやすい設備や機能、システムなどを備えている住宅のことを指します。

たとえば、子どもが自分で上り下りすることが困難な階段は子ども本人にとっては障害になりますし、高齢者や妊娠中の方にとって、手が届かない程の高い位置にある戸棚なども障害(バリア)となり得るでしょう。

これからの生活にとって、障害となるかもしれない設備や機能がどこにあるのかを調査し、誰でも使いやすいように住宅のバリアフリー化をすることで、従来よりも格段に生活しやすい住まいづくりを実現することができます。

つまりバリアフリーとは、高齢者や障がい者だけではなく、自分自身や家族などの同居人全員に関わってくるテーマであるといえます。

バリアフリー住宅の具体的な例

バリアフリー住宅にするためには、どのような設備や機能を導入すると良いのでしょうか。

一概に住宅のバリアフリー化といっても、どんな人にどんなバリアフリー化が必要なのかは、生活する人や、将来をどのように見通すかによって大きく変わってきます。

ここでは、住宅の中で障害になりやすい場所やものについて説明し、その対策にはどのようなバリアフリー化を考えればよいのかを解説します。

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屋内や屋外の段差を解消する

バリアフリー住宅を考える場合、屋内や屋外にある段差の解消は優先して取り組むべきでしょう。

その理由は、高齢化により足腰が弱くなった場合や、歩行に関わる身体的な障がいを負った場合、大きなバリア(障害)となりうるからです。

家の中で段差ができてしまいがちな場所は以下の5か所です。まずはこれらの場所の段差を解消することを考えると良いでしょう。

  • 玄関
  • 階段
  • お風呂と脱衣所の間
  • 部屋と廊下の仕切り
  • トイレ

  • たとえば、廊下と部屋を仕切るための些細な段差だったとしても、つまずく危険や車椅子での乗り入れが難しくなるといったリスクがあります。

  • 玄関をスロープにする
  • お風呂の段差をなくす
  • 部屋と廊下の仕切りの段差をなくす

  • 上記のような方法で、将来的に安心して生活することのできる住まいづくりをすることができます。

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    手すりを設置する

    部屋から部屋へ移動する際に使う廊下などに手すりがあると、足腰が弱い方の移動の負担や転倒のリスクを軽減することができます。

    手すりがあるとより便利な場所として以下の6か所があげられます。優先的に手すりの設置を検討すると良いでしょう。

  • 階段
  • 廊下
  • トイレ
  • リビング
  • キッチン
  • 浴室

  • 玄関やトイレ、浴室では、それらを利用する際に立ち座りの動作をすることが多くなります。

    その際に縦型の手すりを配置すると、手すりに体を預けることができるので、動作の際にかかる負担を減らすことができます。

    また、リフォームで手すりを設置する際は、手すりを設置することで通路の幅が狭くなり、逆に移動がしづらくなってしまうことがあるので注意しましょう。

    可能であれば、新築のタイミングで将来的に手すりを設置する可能性をあらかじめ想定しておけるとベストです。

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    引き戸に変更する

    ドアや玄関などを引き戸にすることで、通常の開き戸に比べて、扉の開け閉めの動作が楽になり、移動がしやすくなります。

    引き戸にするメリットを簡単にまとめると、以下の通りです。

  • ドアを開け閉めする動作がしやすくなり、少ない力で済むため、楽に移動することができる
  • 車椅子利用者でもドアを開けやすく、開き戸に比べ開口が広い場合が多いため、移動しやすい
  • 三重引き戸や両開きもあるので、必要に合わせてドアの種類を選択することができる
  • 開き戸に比べて、ドアを開けるスペースを考えなくても良い
  • また、ドアストッパーを用いて引き戸を開けたままの状態にすることで、開放感のある見た目にすることができるデザイン面のメリットもあります。

    注意点としては、引き戸はドアを開けたときにスライドするため、スライドするスペースも考えて間取りを選択する必要があります。

    トイレの出入口やスペースを広くする

    トイレの出入口やスペースを広くすることで、車椅子での生活や体が不自由になっても快適に利用できるようになります。

    介護を受ける人と介護をする人が一緒に室内に入る場合を考え、必要なスペースを十分に確保したトイレにしておくと、生活が楽になるでしょう。

    また、車椅子利用者の場合、車椅子に乗りながら方向転換をするために旋回を必要とします。そのため、動線だけではなく、旋回箇所である廊下やドアの前のスペースに必要な幅を持っておくと、本人が楽に旋回することができます。

    トイレの出入り口やスペースを広くすることで得られるメリットをまとめると、主に以下の3つが挙げられます。

  • 介護を必要とする場合でも、十分なスペースを確保できる
  • 生活動線を確保することで、過ごしやすい家にできる
  • スペースを広く取ることで、車椅子での移動や旋回をするスペースを確保することができる
  • トイレやお風呂を洋式に変更する

    トイレやお風呂といった水回りの設備が古く、和式や在来工法である場合、洋式便器やユニットバスに変更するだけでも、住宅をバリアフリー化できます。

    たとえばトイレの場合、和式便器から洋式便器へ変更することで、便器を使用する際の動作がしゃがむ状態から座る状態に変わるため、結果的に体への負担が少なくなります。

    そのため、高齢者や身体的な障がいがある人でも楽にトイレを利用しやすくなるメリットがあるでしょう。

    洋式トイレにリフォームする場合は、トイレのリモコンボタンを設置することや、便器をタンクレスにして手洗い場などを使いやすい位置に変えることで、誰でも快適に使用できるトイレになります。

    一方お風呂場の場合、在来工法の古い浴室は、浴槽に入るために大きな段差を越える必要があるデザインのものも少なくありません。体の負担を少なくするために最新式のユニットバスに変更すると、入浴の動作を楽に行うことができます。

    トイレやお風呂を変更するメリットをまとめると、以下の通りになります。

  • 必要な動作や身体的な負担が少なくなりやすいため、単純に利用しやすくなる
  • 段差を少なくすることで、入浴がしやすくなる(お風呂の場合)
  • 寝室とトイレを近い場所に設置する

    年齢を重ねると、就寝してもトイレのために目覚めてしまうことが多くなります。寝室のすぐ近くにトイレがあると、生活上のストレスを軽減することができるでしょう。

    寝室とトイレを近い場所に設置することによるメリットをまとめると、以下の3つが挙げられます。

  • 夜中、トイレに行くために目覚めても、近くにあるから安心できる
  • 介護が必要な状態になっても、移動の距離が短くなるので安心
  • 廊下を通らずにトイレに行けるため、ヒートショックを起こすリスクを軽減できる
  • また、寝室からトイレまでの通路の足元を照らす照明があるとさらに効果的です。

    介護が必要な状態の家族がいる場合でも、寝室のすぐ近くにトイレがあると、介護を受ける人をトイレに連れて行く際の負担を軽減できます。そのため、介護を受ける人と介護をする人の両方にとって快適な住宅になるでしょう。

    また、温度の急激な変化で血圧が急変動することによるヒートショックが起こりづらくなるメリットもあります。

    寝室からトイレまでの距離が長い場合、暖かい寝室から寒い廊下を通ってトイレに向かうことになるので、その分ヒートショックを起こしやすくなります。暖かい寝室のすぐ隣にトイレを設置すれば、それだけヒートショックが起こるのを防ぎやすくなるでしょう。

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    廊下の幅を広くする

    住宅内の廊下において、車椅子の利用に不自由のない十分な幅を確保することで、車椅子での生活になっても安心して生活をすることができます。

    具体的には、旋回や方向転換が無理なくできる程度の幅があると良いでしょう。

    また、車椅子を利用していない場合でも、介護を受ける人とともに移動する際のことを考え、2人並んで移動できる程度の幅があると、楽に移動することができます。

    廊下の幅を広く取ることのメリットをまとめると、以下の通りです。

  • 手すりを設置する際の十分なスペースを確保できる
  • 車椅子での移動も簡単に行うことができる
  • 介護が必要になっても、2人で十分通行できる幅を確保できる
  • まとめ

    今回は、私たちの身近にあるバリアフリーと、住宅に採用されるバリアフリーの例を紹介してきました。

    この記事をきっかけに、バリアフリーデザインを利用した住まいづくりに興味を持っていただけたのであれば幸いです。

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    (2021年8月13日掲載)

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