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更新日:2024年09月13日

リフォーム前の診断が大事!建物状況調査(インスペクション)

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リフォームをする前に直すべきところを知っておきたいな
など考えていませんか?
そんなときに役立つ情報を紹介いたします。
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そんなときは…
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「建物状況調査(インスペクション)」とはどんな調査なのか、
その目的メリット調査内容などについて詳しくみていきましょう。

中古住宅の購入やリフォーム計画にきっと役立ちます!

①「建物状況調査(インスペクション)」とは?
②建物状況調査(インスペクション)を行うメリット
③調査内容について
④その他のインスペクション
⑤依頼先の選び方
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①「建物状況調査(インスペクション)」とは?

建物状況調査(インスペクション)とは、既存住宅(中古住宅)の基礎、外壁などに生じているひび割れ、雨漏り等の劣化具合や不具合の程度を調査するものです。

調査というと専門的で難しく感じるかもしれませんが、人間にたとえるなら健康診断のようなものとイメージするとわかりやすいかもしれません。

もし健康診断で病気の予備軍が見つかったら、大事になる前に早期治療ができて医療費が最小限で済みます。「建物状況調査(インスペクション)」も同じように住宅の状態を調査することで、すぐに修繕が必要な箇所や、数年後に修繕の計画をしておくことが必要な箇所を見つけられるため、早期発見で大事に至る前に対処することができます。

さて、なぜ「建物状況調査(インスペクション)」が注目されはじめたのでしょうか。実は2018年4月に宅地建物取引業法が改正され、既存住宅の売買などの取引時に仲介業者は建物状況調査(インスペクション)の有無を説明することが義務付けられました。そのため、従来以上に既存住宅の現況について詳しく表記される機会が増え、取引においても活用が広まっているのです。

建物状況調査(インスペクション)は、建物を目視や機材を使って調査します。専門的な知識がなければ正確に状況判断をするのが困難となるため、国土交通省の定める講習を修了した建築士が調査を行います。
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②建物状況調査(インスペクション)を行うメリット

建物状況調査を行うことには、次のようなメリットがあります。

建物の現状がわかり安心

建物の現状を調査することで、建築分野の専門知識のない一般の方でも建物の現状を把握できます。そのため、住宅を所有し続ける場合でも、取引する場合でも安心につながります。

リフォームの計画がしやすい

建物の劣化レベル、不具合の程度を知ることにより将来的なリフォームやメンテナンスの計画が立てやすくなります。どの部分を優先的にケアしなければならないのか、優先順位を明確にすることができます。

中古住宅の売買時にトラブルを防げる

中古住宅を売買するとき、従来は取引前の現況確認は行うものの、厳格な決まりがなかったため、後から発覚する「隠れた瑕疵(かし)」といわれる建物の不具合が表面化することもあり、取引の上でトラブルになることも少なくありませんでした。
建物状況調査をすることで、取引前に建物の現況を把握できます。そのため、引き渡し後に想定していなかった不具合でトラブルになることも防げます。また、「建物状況調査済み」であることが中古物件として評価を高めることにつながります。

一定基準を満たすと保険加入が可能

建物状況調査を行った結果、劣化がないなど一定基準を満たした場合に既存住宅売買瑕疵(かし)保険に加入できます。たとえ、劣化があったときでも、修繕を行った後にあらためて調査を行い、基準を満たせば加入できます。
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③調査内容について


建物状況調査は、基本的には目視や外部から機材等を用いて行う調査になります。主な調査内容は次の通りです。

地震などの際に耐力は大丈夫なのか

・基礎コンクリート部分にクラック(ひび割れ)などがないか確認
・外壁のシーリング材やひび割れの確認
・バルコニーの状況を確認
・床、柱などでの傾斜状況を確認
・コンクリートは非破壊検査で確認
※非破壊検査とは現況を解体することなく検査するもの

雨漏りの心配はないか

・室内の壁、天井などの雨漏り跡を確認
・屋根や軒裏を目視で確認(戸建住宅)

水漏れはしていないか※オプションの場合あり

・給水管、給湯管、排水管の状態を確認

上記に挙げるような建物状況調査は、所要時間として約3時間ほどです。また、費用は依頼先や調査内容により異なりますが、戸建住宅(2階建)であればおおよそ10万円程度が目安です。
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④その他のインスペクション

建物状況調査は、基本的に目視による「非破壊検査」であり、劣化や不具合を確認する最低限の検査ですが、耐震診断などより詳しく調査する破壊検査もあります。
破壊検査は、基礎や壁内部に隠れている構造体も一部を解体して検査するため、より詳細な状況を把握でき、不具合があればその原因を総合的に判断することに役立ちます。目的にあわせて活用しましょう。
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⑤依頼先の選び方

建物状況調査をすることで、安心な中古住宅の売買取引につながることは前述でご紹介してきました。しかし、いざ調査を依頼するとなると「どこに連絡すればよいのだろう」と迷う方も多いのではないでしょうか。

誰が検査する?

まず、建物状況調査の検査ができる検査人は、国の登録を受けた「既存住宅状況調査技術者講習」を修了した建築士(既存住宅状況調査技術者)が実施します。建築士、またはその他の技術者であっても、講習を修了していない検査人が行う検査は、宅地建物取引業法で認められた「建物状況調査」には該当しません。
豊富な知識と実績を持つ有資格者が検査しても、「既存住宅状況調査技術者」として認められていることが必須ですので注意が必要です。

検査人は調査の当日、「既存住宅状況調査技術者」であることを示すカード型の「修了証等」を携帯することになっていますので、きちんとした検査人であるかを見極めることができます。

なお、インスペクションには「ホームインスペクション(住宅診断)」といわれるものもあります。建物状況調査(インスペクション)は宅地建物取引業法で定められた検査ですが、ホームイン スペクション(住宅診断)は法律で定められたものではなく、検査人の資格も法律では定められていません。

2つは名称も似ているため混同しやすいですが、中古住宅の売買取引においては、建物状況調査は講習を修了した検査人である既存住宅状況調査技術者に行ってもらうと検査結果に対する安心感が高まるでしょう。


どこに依頼する?

建物状況調査の依頼は、「既存住宅状況調査技術者講習」を修了した建築士(既存住宅状況調査技術者)に行います。

既存住宅状況調査技術者のうち、検索サイトに登録された方については、以下のサイトからお探しいただけます。
なお、リフォーム評価ナビでは、掲載している事業者の中から、「建物状況調査」に対応できる事業者を簡単に検索することができます。
ぜひ、ご利用ください!

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