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更新日:2024年12月24日

「リバースモーゲージ」とは?仕組みを簡単解説します NEW

掲載日:2022年8月25日

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老後の生活資金は想像していた以上にかかるという意見は少なくありません。自宅をリフォームしたいと思っても、手持ちの資金が不足していたのでは積極的に取り組むことができません。

そんな時には、自宅を担保にしてリフォーム資金に使える融資を受けられる「リバースモーゲージ」という方法があります。今回はそんなリバースモーゲージの仕組みをわかりやすくご紹介します。

リバースモーゲージとはどんな仕組み?

まずリバースモーゲージは、簡単にいうと融資を受ける手段の一つです。これは借り入れした元金を少しずつ返済する一般的なモーゲージローン(住宅ローン)とは異なり、返済期間中は元金を返済しないという逆(リバース)の形になるため、リバースモーゲージと呼ばれています。具体的には持ち家を担保とし、金融機関から評価額に応じた融資を受けることができる制度です。

返済は金利のみで済む

リバースモーゲージは住宅ローンと違い、毎月かかってくる金利だけを返済していくのが大きな特徴。そのため、金銭的負担が非常にラクです。では元本はどうするのかというと、契約者が亡くなった際に相続した方が一括して返済するか、担保として出していた持ち家を売却して精算していきます。つまりそれまでは、毎月発生する金利のみを支払っていけばよいのです。

どんな人が利用できる?

申込ができる年齢は金融機関により異なり、50歳以上の場合や60歳以上の場合などさまざまです。また、マンションは対象外となっている場合もあります。申込前に金融機関に確認しましょう。

金利や条件が決まるポイント

リバースモーゲージは公的機関から民間の金融機関まで、さまざまな場所で取り扱われています。どこで契約しても、持ち家を担保にして金融機関から融資を受ける仕組みは同じですが、利用条件や金利は異なります。

例えば、民間金融機関が提供しているリバースモーゲージは、資金使途に制限がない場合が多く、生活資金にも利用できます。一方、住宅金融支援機構の金融機関向け保険制度を利用した民間金融機関が提供しているリバースモーゲージ(リ・バース60)は、住宅に関連する使途のみ(新築・リフォーム資金や住宅ローンの借り換え等)に限定されます。
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リバースモーゲージのメリットとデメリット

では、リバースモーゲージを利用するメリットとデメリットについて、詳しくご紹介します。

メリット

リバースモーゲージを利用するメリットは以下の通りです。

自宅を手放さなくてよい

リバースモーゲージは持ち家を担保として資金を借り入れる方法ですが、実際に持ち家を手放すことになるのは契約者である自分が亡くなった時です(※)。つまりご生存の間は普段通り住み続けることができるので、当然持ち家を失うこともなければ引っ越しの手続きをする必要もありません。あくまでも毎月、利息分だけを支払えばいいだけです。
※亡くなった時は、相続人が一括して返済するか、持ち家を売却して返済するか選択できます。

調達したお金を自由に使える場合が多い

民間金融機関が提供している多くのリバースモーゲージの場合、調達した資金をどのように使っても問題ありません。つまり生活費をはじめ、自分の趣味や子どもなどに使うこともできます。ただし注意点として、事業資金に使ったり投資目的で使ったりすることはできません。

高齢の方でも利用できる

金融機関にもよりますが、リバースモーゲージは50歳以上や60歳以上など、高齢の方が契約できます。リバースモーゲージを利用することにより金融機関から融資を受けられるので、年金収入のみの場合など、収入源が限られている高齢者にとっては非常に便利な制度だといえるでしょう。

デメリット

リバースモーゲージを利用するデメリットは以下の通りです。

「長生き」が理由で資金が枯渇する恐れがある

融資してもらえる金額には、もちろん限度があります。融資金を生活資金に活用する場合には、長生きすればするほど、必要な費用は増えていきます。一般的には、さらなる借り入れは難しい場合が多いので、生活資金として融資を受ける場合には、長期間にわたってのライフプラン、資金計画を立てる必要があります。

融資の金額が低めになる

リバースモーゲージで借り入れできる金額は、持ち家の評価額で決定されることが多いようます。そして一般的に評価額は、実際の50~60%くらいになるケースがほとんどです。これは融資側が最終的に融資した元金全額を回収することができるのが、いつになるかわからないためなので、どこで契約することになってもある程度融資額の上限は抑えられています。そのため、通常の評価額をそのまま100%借り入れできるわけではありません。

契約時の評価額から下がることもある

契約時に評価額をもとに融資をしてもらっても、その評価額は将来的には、現在よりも下がることがほとんどです。その場合は売却しても返済金額が足りない状況となり、相続人が残りの返済をするケースも出てきてしまうかもしれません。またローンが変動金利型で、毎月の返済額が増えてしまう可能性もある点にも注意が必要です。金利が上昇すると借入額が減少してしまうこともあります。

マンションは対象外になることもある

一般的にリバースモーゲージは持ち家とその土地の評価額をもとにした融資のサービスです。そのため、土地の持ち分が結果的に少なくなるマンションの場合だと、融資ができないことがあることを理解しておきましょう。
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リバースモーゲージをおすすめできる人

では具体的に、どんな人がリバースモーゲージを利用するといいのでしょうか?ご自身が以下の項目に当てはまるかどうかを、一度ご確認ください。

資金に余裕をもたせておきたい

一定の年齢以上になると、将来の不安がいろいろ出てきてしまうと思います。それなりの費用をかけて自宅のリフォームを考えたいがリフォームに充てる貯金が少ない人は、貯金を使い切ってしまうと、リフォーム後、常に金銭的な不安を抱えながら過ごすことになるでしょう。

そんな方こそ、リバースモーゲージを利用するのがおすすめです。急な病気のときの所要費用は手元に残しつつ、リフォームで快適な住まいを手に入れたい方にとっては、毎月、金利だけ返済していけばいいということになります。

住宅ローンの毎月の返済をラクにしたい

家を購入し、住宅ローンを返済中の方で「毎月の支払金額を今より減らしたい。元金は亡くなったときの精算で・・・」と考えれば、住宅ローンからリバースモーゲージへの借り換えも一つの選択肢になります。毎月の返済が「元金+利息」から「利息のみ」になるので、毎月のキャッシュフロー上は楽になります。

老人ホームなどの入居費用が欲しい

何らかの事情で特養施設、老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などに入居することになった場合、「入居一時金」が必要になる場合がありますが、リバースモーゲージを利用すれば、その費用に充てることができます。

持ち家を残さなくていいと考えている

身内で相続できる人がいない場合、あるいは子供が別世帯で持家を取得していて、誰も親の家を相続しようと希望していないことが既に明らかである場合は、持ち家を残す必要性がないかもしれません。
そんな時こそ持ち家を担保にしつつ、必要な資金を借り入れできるリバースモーゲージを活用するのが良いでしょう。月々の金利以外に支払うものはありませんので、充実したセカンドライフを送ることができるでしょう。

リバースモーゲージでよくある質問

ここまでリバースモーゲージについて詳しく解説してきましたが、まだ細かい点でわからないポイントがあるかもしれません。そんな方のために、よくある質問をここに記載しておきます。

契約後は必ず持ち家を売らないといけない?

必ず持ち家を売らないといけないわけではありません。持ち家は死亡時に売却するか、相続人がいて、かつ借入金の返済が可能であれば、持ち家を売却せずに残すことができます。また、契約者本人がご存命中に元金を繰り上げ返済した場合も売る必要ありません。

一度交わした契約は一生解除できない?

契約をしてみたけどやっぱり解除したいと思う時も、もしかしたらあるかもしれません。そんな時でも、融資元金を全て完済できれば解約することはできます。一度契約を交わしたからといって、一生解約できないわけではありません。

土地だけ自分名義じゃない場合でも利用できる?

人によっては、持ち家が自分名義で土地が他人の名義(義理の父母など)になっているケースもあるでしょう。この場合は、残念ながらリバースモーゲージを利用することができない場合が多いと思われますが、金融機関に相談が必要です。

リースバックとの違いは何?

リバースモーゲージは持ち家を所有した状態で融資を受けることができますが、最近、CMでもよく名前を聞くようになってきた「リースバック」という仕組みの場合は、持ち家をまず完全に売却してからその代金を受け取ります。

そのため所有権はこの時点で失うことになりますが、売却した住宅に、賃貸という形式でそのまま住み続けることが可能という仕組みです。

つまり、リバースモーゲージとは大きく異なり、そもそも融資を受けるものではありません。リースバックで得た資金は自由に使うことができるので、リバースモーゲージとは異なり事業用資金や投資などに当てることも可能です。
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リフォームには高齢者向け返済特例制度

60歳以上の人がバリアフリー化や耐震化のリフォームを行う場合、注目したいのがリフォーム融資の「高齢者向け返済特例制度」。融資限度額は1,500万円なので、大規模なリフォームを計画している人も利用することができます。

住宅金融支援機構が行っており、リバースモーゲージ同様に、月々は利子だけ払えば良く、負担が軽くて済むのが特徴。元金は借り入れをした人が亡くなった時に相続人が一括で返済するか、担保した建物を売却して返済します。

■対象となる人

以下のすべてに当てはまる人。
・借り入れの申し込み時に満60歳以上の人。
・自身が居住する住宅をリフォームする人。
・日本国籍がある人、または永住許可等を受けている外国人。

■対象となる工事

・バリアフリー化リフォーム、耐震化リフォーム、ヒートショック対策工事のいずれかの基準に適合する工事。

■総返済負担率

年収に占める全ての借り入れ(※)の年間合計返済額の割合が、次の基準を満たしていること(収入を合算することもできる)。
・年収400万円未満の場合=30%以下。
・年収400万円以上の場合=35%以下。
※高齢者向け返済特例制度の返済額のほか、住宅ローン、自動車ローン、教育ローン、カードローン(商品の分割払いも含む)など。

■抵当権

建物と土地に住宅金融支援機構の第一位抵当権を設定することが必要。

■保証

「保証ありコース」を選択した場合、住宅金融支援機構が承認している保証機関(一般財団法人高齢者住宅財団)の保証が必要。
「保証なしコース」を選択することも可能。

なお、本内容は2022年8月25日時点の情報です。制度内容は変更することがありますので、詳しくは住宅金融支援機構のホームページ をご確認ください。

まとめ

今回はリバースモーゲージの仕組みや、契約するメリットデメリットなども詳しくご紹介しました。リフォームの際の資金作りにとても役立ち、さらに高齢期の暮らしを充実させたり将来の金銭的不安を取り除けたりする可能性があります。資金調達の方法で悩んでいる場合は、ぜひ選択肢の一つとして考えてみてください。
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