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更新日:2024年12月24日

システムキッチンのサイズ・寸法を徹底解説!使いやすい規格サイズは? NEW

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システムキッチンを導入するときに重要になるのが、間口や奥行きなどの適切なサイズ選び。

身体に負担がかかりにくい適切なキッチンのサイズを選ぶことによって、作業や家事の効率を上げることができます。

ただしキッチンの適切なサイズは、住宅に導入しているキッチンのタイプによって変わりやすく、サイズ選びを間違えることでキッチン内の動線が悪くなってしまうので注意が必要です。

今回は、システムキッチンのサイズについて解説し、使いやすい規格サイズのおすすめやサイズ選びのポイントについて紹介していきます。

システムキッチンのサイズの測り方

システムキッチンのサイズを測る時は、以下の3か所をそれぞれ見ていくことが必要になります。

  • 間口(キッチンの横幅)
  • 奥行き
  • 高さ

  • また、キッチンを使う人の身長や体格によって、最適なキッチンのサイズは変わります。

    そのため、サイズを決める際は、キッチンをメインで使う人に合わせて、丁度良いサイズになるように測ることが重要になるでしょう。

    以下では、キッチンのサイズを測る3か所について、それぞれ詳しく解説します。

    間口(横幅)

    間口(横幅)は、キッチンの全体の長さを指します。多くのメーカーは、180cmから300cmの間で間口を設定することが多く、サイズごとに15cm刻み程度でシステムキッチンを展開しています。

    間口を決める要素は3種類あり、コンロ、シンク、調理場の3つを合わせた状態の幅がキッチンの間口とされることが一般的でしょう。

    間口が広いと、その分作業スペースを広々と使うことができますが、間口を広く取りすぎるとキッチンそのものの横幅が広くなり、横の方向の移動距離が長くなってしまいます。

    また、レイアウトによってはリビングのスペースを圧迫してしまい、生活動線を悪くしてしまうこともあるでしょう。

    反対に間口を狭くしすぎると、調理作業をストレスなく行うための最低限のスペースが足りなくなってしまい、窮屈なスペースで作業を行うことになります。

    以下では、コンロとシンクの標準的な間口について、もう少し詳しく解説します。

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    コンロの標準的な間口

    コンロの間口は、60cmと75cmのふたつが標準的な規格とされています。

    しかしメーカーによってはこのふたつ以外のサイズも取り扱っているため、キッチンのサイズやオーダーによっては、60cm・75cm以外の間口のコンロを導入することもあるでしょう。

    60cmのコンロだと大きな鍋やフライパンで調理する際に、器具どうしがぶつかってしまうことがあるので注意が必要です。

    対して、75cm程度の間口であれば、3ツ口のコンロを同時に使用しても器具どうしがぶつからず、ストレスなく調理を行うことができるでしょう。

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    シンクの標準的な間口

    一般的に、シンクの間口は70cm~80cm程度に設定されているシステムキッチンが多いです。

    シンクの間口が広いと大きな鍋などを洗いやすくなるだけではなく、水切りのためのラックなどをシンクにおいても、ある程度スペースにゆとりを持たせることができます。

    一方、シンクの間口が狭い場合、洗ったものを都度水切りラックや調理スペースに置く作業が必要になります。そのため、シンクの間口には余裕を持たせることをおすすめします。

    奥行き

    システムキッチンのタイプによって異なりますが、奥行きは65cmで設定されることが一般的です。

    しかし、設置スペースや動線確保の都合から、奥行きを60cmとするキッチンもあります。

    また、アイランドキッチンやペニンシュラキッチンといった対面キッチンに分類されるものであれば、奥行きは100cm程度であることが多いでしょう。

    対面キッチンの場合は奥行きを広めにとることで、リビング部分への水はねを防止したり、目隠し用の枠を設置することができます。

    また、奥行きを広く取ることによりシンクを使う作業を複数人で行いやすくなるメリットもあるでしょう。

    高さ

    システムキッチンの高さは、キッチンを使う人の身長に合わせたワークトップの高さ(作業しやすい高さ)になるよう、最適なものを選びましょう。

    システムキッチンのワークトップは、多くの場合次の3つから選ぶことができます。

  • 80cm
  • 85cm
  • 90cm
  • また、理想的なワークトップの高さは、「(身長÷2)+5cm=理想的なワークトップの高さ」という計算式で求めることができます。

    たとえば、身長が165cmの場合、(165÷2)+5=87.5となるので、ワークトップの理想的な高さは85cmもしくは90cmとなります。

    【タイプ別】一般的なシステムキッチンの規格サイズ

    システムキッチンは形状やレイアウトごとにいくつかのタイプに分けられています。

    そのため、どのタイプのキッチンを採用するかに応じて、それぞれの一般的な規格サイズも変わります。

    ここでは、システムキッチンのタイプ別に、それぞれ一般的な規格サイズを解説します。

    I字型キッチン

    I字型キッチンはシンク、コンロ、作業スペースを一直線上に並べた最もシンプルかつポピュラーなタイプのキッチンです。

    キッチンが壁に沿って配置されていることも多く、横一直線の作業動線となるため、キッチン全体のスペースに無駄が生まれにくいです。

    I字型キッチンの一般的な規格サイズは、間口が165cm~300cmの間で15cm刻みとして、奥行きは65cmとなります。メーカーの製品によっては、間口を120cm程度のみ取っているものもあります。

    L字型キッチン

    L字型キッチンはシンク、コンロ、作業スペースの3つをL字型に配置することで動線を短くし、調理や洗い物などの作業効率を高められるキッチンです。

    L字型キッチンのサイズを測る時は、間口を以下の2か所に分けてチェックすることが必要になります。

  • シンクから作業スペースのコーナー部分にかけての間口
  • コンロから作業スペースのコーナー部分にかけての間口
  • シンクから作業スペースのコーナー部分にかけての間口は、一般的に180cm~270cmの間で展開されることが多いです。

    対して、コンロから作業スペースのコーナー部分にかけての間口は165cmもしくは180cmのふたつから選ぶことが多いでしょう。

    ペニンシュラ型キッチン

    ペニンシュラ型キッチンは、キッチンの左右片面のみを壁に付けるタイプのキッチンです。その形状が半島(peninsula)のように見えることから、ペニンシュラキッチンと呼ばれます。

    ペニンシュラ型キッチンの一般的なサイズは、間口が165~270cm程度、奥行きは75cm~100cm程度となります。

    ペニンシュラ型キッチンはリビングやダイニングに向かい合うように設置されることが多い対面キッチンに分類されます。

    そのため、I字型やL字型のキッチンと比べて奥行きを広く取ってサイズ展開する製品が多いのが特徴です。

    アイランド型キッチン

    アイランド型キッチンはキッチンの面が壁に接しておらず、独立しているタイプのキッチンです。キッチン周囲を通路にするので開放感のあるスペースを作ることができ、ゆとりのある動線を作りやすいです。

    アイランドキッチンの一般的なサイズは、間口が240cm~270cm程度、奥行きは75cm~100cm程度です。

    ペニンシュラ型キッチンと同様に奥行きを広く取っている製品が多く、I字型やL字型のキッチンより広いスペースを必要とします。

    また、ワークトップ部分から見て左右にあたる通路には、最低でも80cm程度の空きスペースが必要です。

    スペースを確保できない場合はアイランドキッチンを設置できない場合もあるので、注意しましょう。

    システムキッチンのサイズを変更したいときはどうする?

    システムキッチンを導入したものの、住宅のスペースにキッチンサイズが合っていないかも……と感じることもあるでしょう。

    その場合、大まかに以下2種類の解決策が挙げられます。

  • サイズ変更に対応できるキッチンメーカーに相談する
  • オーダーキッチン(オーダーメイドキッチン)を導入する

  • 以下でそれぞれの方法について詳しく解説します。

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    サイズ変更に対応できるキッチンメーカーに相談する

    システムキッチンを製造・販売するメーカーの中には、キッチンを住宅に取り付けた後であっても、サイズの微調整に対応してくれるサービスを取り扱っている場合があります。

    たとえば、1cm刻みの微調整に対応できるキッチンメーカーや、15cm刻みでサイズ変更ができるメーカーなどがあり、対応範囲は各社によって異なります。

    そのため、システムキッチンを導入する際は、そのようなサイズ変更に対応できるメーカーかどうかを事前にチェックしておけると良いでしょう。

    オーダーキッチン(オーダーメイドキッチン)を導入する

    メーカー製のシステムキッチンではサイズ変更に対応しきれない場合、オーダーキッチン(造作キッチン)を導入することで、より住宅に合った適切なサイズのキッチンを導入できる場合があります。

    オーダーキッチンは作業スペースやワークトップ、使用する素材や通路幅に至るまで、あらゆる箇所を自由に決めることが可能です。そのため、住宅のスペースや状況に応じてオーダーキッチンを導入することも検討しておきましょう。

    一般的なシステムキッチンよりも価格は高くなりやすいですが、その分要望に応じた最適なサイズのキッチンを導入しやすいです。

    まずはシステムキッチンのショールームだけではなく、オーダーキッチンのショールームにも足を運ぶことをおすすめします。

    システムキッチンのサイズを選ぶときのポイント

    システムキッチンのサイズを選ぶときは、あらかじめいくつかのポイントをおさえたうえで選ぶことが重要です。

    ここでは、システムキッチンのサイズを選ぶときのポイントを6つ紹介します。

    キッチンを使う人数を考えて通路幅を決める

    システムキッチンのサイズを選ぶときは、キッチンの間口や奥行き、ワークトップなどだけではなく、キッチンを同時に使用する人数が何人なのかを考えて通路幅を決めることが重要になります。

    キッチンを快適に使うためには、キッチン自体のサイズだけではなく、人がストレスなく通ることができる程度の動線を確保する必要があるからです。

    具体的には、1人でキッチンを使用する場合と、複数人でキッチンを使用する場合とで、確保しておくべき通路幅は異なります。

    1人で使用する場合

    1人でキッチンを使用する場合は、最低でも75cm、可能であれば85cm程度の通路幅を確保しておくと、ストレスなく快適にキッチンを使用しやすいでしょう。

    リビングなどの場合、65cm程度の通路幅を確保しておくだけでも十分なケースが多いです。

    しかしキッチンの場合は調理道具や食材、食器類などを持ちながら通路を移動することが多いため、リビングなどよりも多めに通路幅を確保する必要があります。

    複数人で使用する場合

    複数人で調理を行う場合や家族構成が大人数な場合などは、キッチンですれ違う際に身体がぶつからないよう、110cm程度の通路幅を確保しておきたいところです。

    複数人でキッチンを使用する場合、通路幅は広ければ広いほど良いと考える方は少なくありません。

    しかし、キッチンのスペースを取り過ぎてリビングやダイニングのスペースを圧迫してしまうケースもあるため、狭すぎず広すぎない丁度良い通路幅を確保することが重要になります。

    また、L字型キッチンやアイランドキッチンなどは他のキッチンと比べて通路を確保できるレイアウトを実現しやすいため、導入を検討することもおすすめします。

    快適な作業動線を確保する

    キッチンのサイズを考える際は、快適な作業動線を確保するための「ワークトライアングル」を意識することが重要です。

    ワークトライアングルとは、シンク、コンロ、冷蔵庫の3か所を線で結んだ三角形のことで、

    快適な動線のためにはワークトライアングルを3.3m~6.0m程度に収められるようにすると効果的といわれています。

    なお、ワークトライアングルが小さすぎると調理作業や収納に使えるスペースが窮屈になってしまい、逆に大きすぎると作業時に無駄な動きが多くなってしまうという問題があります。

    そのため、キッチンのサイズを決める際にワークトライアングルを考えることは必要であり、どの程度の大きさになるのかを把握することが重要といえるのです。

    理想的な高さとサイズの吊戸棚を導入する

    システムキッチンのサイズを検討するときに、同時に導入を検討しておきたいのが吊戸棚です。

    理想的な高さとサイズの吊戸棚を導入することで、適切なキッチンのサイズを確保しつつ収納スペースを増やすことができます。

    吊戸棚は、高さが低すぎると作業スペースを圧迫してしまい、逆に高すぎると普段使いがしづらくなるという問題があります。

    そのため、身長に合った理想的なサイズの吊戸棚を導入することが重要です。

    吊戸棚の理想的な高さは「吊り下げた際に目線よりも10cm~15cm程度低くなる高さ」です。この高さは吊戸棚が自然な高さで視界に入り、棚の奥まで余裕をもって手が届く範囲といわれています。

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    冷蔵庫や引き出しを開けるときのスペースを確保する

    キッチンのサイズを考える際は、冷蔵庫のドアや食器棚の引き出しを、余裕をもって開くことができるスペースがあるかどうかも確認しておきましょう。

    その理由は、キッチンのサイズを考える際は通路幅や動線への影響に気を付ける必要があるからです。

    引き出しを開けるスペースをよく考えないまま配置してしまうと、通路や動線を圧迫して作業の効率が下がりやすくなります。

    そのため、冷蔵庫や食器棚を導入する際は、通路側に引き出しを開けるスペースが十分確保されているかも確認するようにしましょう。

    コンロ周辺の通路幅には余裕を持たせる

    キッチンのサイズを考える際は通路幅に十分な余裕を持たせることが必要になりますが、コンロ周辺の通路幅にはさらに余裕を持たせると良いでしょう。

    コンロでは大きな鍋やフライパンを使用することも多いです。

    そのため、キッチンの壁などに手や調理器具をぶつけるなどで思わぬケガをしないよう、他の箇所よりも広めに通路幅を取っておくと安全です。

    複数のリフォーム会社に相談する

    キッチンのサイズを考える際には、キッチンのリフォーム実績が豊富な会社をピックアップし、複数のリフォーム会社に相談してアドバイスをもらってみましょう。

    快適な動線や通路幅を確保しつつ適切なシステムキッチンのサイズを選ぶことは、覚えるべきことが多く難易度が高いです。プロのアドバイスをもらいながら慎重にサイズを決める方が、負担が少なくなるでしょう。

    相談する際には、1つのリフォーム会社ではなく複数の会社から見積りを取ることで、リフォームにかかる費用の適切な価格を知ることができます。

    多くのリフォーム会社から様々なアドバイスをもらうことで、より効果的なキッチンのサイズ決めができるメリットもあります。まずは現在のキッチンの悩みについて、リフォーム会社に相談してみることをおすすめします。

    まとめ

    今回は、システムキッチンのサイズの測り方や規格サイズについて解説しました。

    キッチンのサイズについて考えるときは、間口や奥行きだけではなく、通路幅やワークトライアングルなどを含めて、総合的に使いやすいキッチンにできることを考える必要があります。

    また、キッチンのサイズ変更やリフォームを依頼する際には、キッチンに力を入れているリフォーム会社を見つけてお願いすることで、より最適な利便性の高いキッチンを実現することができるでしょう。

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    (2021年10月6日掲載)

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