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更新日:2024年12月24日
トイレの床リフォーム|タイミングや床材の選び方、費用について解説 NEW
掲載日:2024年2月2日
トイレの床に掃除しても落ちない汚れや傷が目立つようになってきたら、理由は床材の経年劣化でリフォームのタイミングかもしれません。
今回は、トイレの床にフォーカスし、床材の選び方や交換のタイミングを解説します。費用の目安も紹介しますので、トイレの床リフォームについて知りたい方や、検討している方はぜひ参考にしてみてください。
トイレのリフォームで使われる床材の種類
トイレの床リフォームで一般的に使われる素材には、以下の3種類があります。
- クッションフロア
- 複合フローリング
- タイル
それぞれの素材にメリット・デメリットがありますので、特徴を押さえてお住まいに合ったものを選びましょう。
クッションフロア
トイレの床材に採用されている素材のなかで、最もポピュラーなのがクッションフロアです。塩化ビニール樹脂を使用した素材で耐水性に優れており、水回りで安心して使えます。一般的なトイレ用洗剤や水拭きで手軽に掃除ができますので、常に床を清潔な状態を保つことが可能です。柄やデザインのバリエーションも豊富ながら低価格で、コストパフォーマンスを重視したい方にもおすすめです。
施工もしやすく、短期間でリフォームできるのもメリットです。床の貼り替えだけであれば、工事費用も抑えられます。なかには、遮音性に優れているタイプや傷・凹みに強いといった、より機能性の高いものもありますのでチェックしてみてください。ただし、タイルなどと比べると、耐用年数がやや短い点に留意しておきましょう。
フローリング
木材を使用しているのがフローリングです。木の風合いやナチュラルなデザインが好みの方におすすめです。トイレに面した廊下や部屋にフローリングを採用している場合、全体的に統一感を出せるのもメリットです。フローリングには、主に天然木材から切り出した一枚板の「無垢(むく)フローリング」と、集成材や合板の上に薄くスライスした天然木や化粧シートなどを貼って作られる「複合フローリング」の2つがあります。なお、床を交換する際は便器を取り外す必要があるなど、クッションフロアと比べて工事費用が高くなる傾向があります。
デメリットは、木材なので無塗装のものは水に弱い傾向があります。水拭き後はしっかり乾燥させましょう。水分をはじめ、トイレ用洗剤やアンモニア成分が残ったままだと腐食する恐れがあります。また、木材のつなぎ目に水が染み込むと、嫌なニオイを発するケースもあります。
つなぎ目に水が染みこみにくい加工を施したフローリングもありますので、チェックしてみてください。また、一般的なフローリングよりも耐水性と防汚性に優れたトイレ用フローリングも販売されています。
タイル
タイルは公共施設などにも多く利用されており、耐久性と耐水性に優れています。水が染み込まずお手入れしやすく、モップでサッと掃除できるのがメリットです。高級感があって色やデザインのバリエーションも豊富で、こだわりのトイレ空間を実現したい方にぴったりです。耐用年数が長く、交換の頻度を減らせるのも魅力です。
価格帯は幅があるものの、全体的にクッションフロアやフローリングと比べて価格が高い傾向があります。また、貼り替える際は便器を取り外さなければなりません。目地の汚れを落とすのにも手間がかかります。濡れた状態ですと滑りやすい点にも注意しましょう。
トイレの床材を選ぶ際のポイント
トイレのリフォームで使用する床材の種類がわかったところで、選ぶ際のポイントも押さえておきましょう。以下では4つのポイントに分けて紹介しますので、何を重視すべきかを把握する際の参考にしてみてください。
お手入れのしやすさをチェック
トイレの床材を選ぶ際は、お手入れのしやすさをチェックしておきましょう。トイレは男性が用を足す際に尿が飛び散るなど、衛生面が気になる空間です。トイレマットを敷いても、それ以上の広範囲に飛び散っている場合があります。掃除しやすさを重視するなら、クッションフロアやタイルなどの拭き取り掃除しやすい素材がおすすめです。なかには、防汚加工を施して汚れがこびり付きにくくした床材も販売されていますので、チェックしてみてください。
耐水性をチェック
トイレでは、優れた耐水性を備えている床材がおすすめです。水やアンモニア成分に弱い床材の場合、付着や染み込みによって腐食する恐れがあります。トイレマットで対応しても広範囲に水や尿が飛び散っている場合があり、気づかずに放置しておくと危険です。水に強いクッションフロアやタイルを選ぶほか、フローリングにする場合はトイレ専用で耐水性を備えたタイプをチェックしてみましょう。木目調でフローリング風を演出できるクッションフロアを採用するのも方法の一つです。
耐用年数をチェック
トイレの床材を選ぶ際は、どれくらいの期間、安心して使えるのか、耐用年数も考慮しておきましょう。トイレの床材として使用する場合、おおむね以下が耐用年数とされています。
- クッションフロアの耐用年数:10年程度
- 複合フローリング:15年程度
- タイル:15年程度
ただし、上記の耐用年数はあくまで目安です。使い方やお手入れの頻度など、さまざまな要因で早めに交換が必要になるケースがある点に留意しておきましょう。
壁材とのバランスをチェック
トイレの床材の色やデザインを決める際は、壁材とのバランスもチェックしておきましょう。壁と床との色のコントラストによっては、トイレが狭く感じる場合があります。できれば、床材を交換する際に壁材も併せて取り替えると良いでしょう。より広さを感じられるトイレ空間にしたいのであれば、床や壁、天井などの色を同系色で統一するのがおすすめです。
トイレの床リフォームの費用相場
トイレの床リフォームの費用は、張り替える床の面積や使用する素材によって異なります。一般的な費用の目安は、以下のとおりです。
床材の種類 | 1畳あたりの費用 |
---|---|
クッションフロア | 2~4万円 |
フローリング | 3~6万円 |
タイル | 4~12万円 |
上記はあくまで参考費用です。特にタイルの価格はタイプによって大きく異なります。また、実際の床リフォームでは、床を交換すると同時に壁や天井材を交換するケースもあり、追加費用によって総額に差が出てくる点に留意しておきましょう。
トイレの床リフォームのタイミング
トイレ床材の耐用年数の目安は、「クッションフロアは10年程度」、「複合フローリングは15年程度」と紹介しましたが、以下のような状態を確認できたら早めに交換を検討しましょう。
- 変色している
- ひび割れが発生している
- 傷が目立つ
- 掃除しても汚れが落ちにくくなった
- 接着剤が剥がれてシートが浮いてきたり、めくれてきたりしている
トイレの床材は水や洗剤、アンモニア成分によって、想定よりも早く劣化する可能性があります。上記のような状態になっているなら、トイレなど水回りのリフォームの実績が豊富なリフォーム会社に相談しましょう。
トイレの床をリフォームする際の注意点
トイレの床リフォームでは床材の選択が重要ですが、さらに注意しておきたい点があります。トイレのリフォームの失敗を防ぐためにも、以下のポイントをしっかり押さえておきましょう。
トイレ全体のリフォームも検討する
トイレの床材交換が緊急を要する状態でなければ、トイレ全体のリフォームも検討してみましょう。
便器を節水タイプのものに取り換えたり、壁に手すりを設置したりするなどトイレ全体のリフォームをおこなうと、1ヵ所ずつをリフォームするよりもコストパフォーマンスが高く、トイレ全体のバランスも整い、使い勝手が良くなるでしょう。
床の高さに注意
トイレの床材を交換する際には、床の高さを変更するリフォームをおこなうケースがあります。段差を解消するリフォームは、安全性や使いやすさを向上させる効果がありますが、内開きドアを採用している場合は、高さ変更後の床がドアの開閉に干渉することがあるので注意が必要です。
床の高さを変更することにより、給水管や排水管などの工事が必要となる場合もあります。その工事日数と費用も別途かかりますので、しっかり確認しましょう。
なお、現在、内開きのドアならば引き戸などに交換することも検討しましょう。内開きドアは外から扉を開けにくいため、万が一トイレの中で転倒した場合に救助しづらい傾向があります。さらに、介助が必要な人がいる場合は、介助スペースを確保するために扉を開けたままにしておきますので、内開きドアだと使い勝手が悪い可能性があります。
トイレの床リフォームの事例
ここからは、トイレの床リフォームの事例を「リフォーム評価ナビ」からご紹介しますので、見ていきましょう。
※以下の参考事例は全て「リフォーム評価ナビ」登録事業者の施工事例です。
参考事例1
清潔感のあるシンプルな空間|TOTOリモデルサービス東京営業所のリフォーム事例
床は清掃性に優れたクッションフロア。清潔を保ちながら、フローリング調のデザインがトイレ全体を明るくやさしい雰囲気にしてくれます。
参考事例2
ホテルライクな上質空間|株式会社 アレックスのリフォーム事例
床にはメンテナンス性が高い大理石柄のフロアタイルを張りました。またレストルームドレッサーも落ち着きのあるダークトーンでまとめ、モダンで上質な空間にデザインしました。
まとめ
トイレの床をリフォームする際は、床材選びが重要なポイントになりますので、住まいづくりのプロであるリフォーム会社に相談して進めるのがおすすめです。実際に床材の種類やサンプルを見せてもらい、その特徴や費用を確認して納得のいくものに決めましょう。
リフォーム評価ナビでは、口コミや事例からお近くのリフォーム会社を探すことができますので、ぜひチェックしてみてください。
◆記事監修
一般財団法人 住まいづくりナビセンター 理事・事務局長
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青木 千枝子
一級建築士。東京都出身。大学院での研究テーマは“楽しく歩けるまちづくり”。組織設計事務所にて、マンションリフォームから飛行機の格納庫まで、多様な規模や用途の設計に携わり、その後独立。平成13年4月より「住まいのナビゲーター」として住まい手のサポートをスタート、現在に至る。最近子育てが一段落し、心置きなく趣味を楽しめるようになった。
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