リフォームを学ぶ | 風呂・浴槽
風呂・浴槽
更新日:2024年12月24日
洗濯干しにも使える浴室乾燥暖房機 NEW
浴室が寒いと健康を害する
冬に暖房がよく効いたリビングから寒い洗面所や浴室に行って、体がブルブルと震えたことがありませんか。理由は急激な温度の変化から身を守るために、体を震わせて熱を生み出しているからです。寒さのために血管が収縮し、収縮した血管に血液を送り出すため、血圧が上昇するので要注意。特に高齢者は影響を受けやすいので注意が必要です。
入浴するまでの血圧の変化は次のようになります(九州大学名誉教授 栃原裕氏調べ)。通常、血圧123㎜Hgの人が室温10℃の洗面所と浴室に入った場合、脱衣後の血圧は156㎜Hg、浴室での洗浄後は159㎜Hgになり、いずれも心筋梗塞や脳出血の恐れがあります。浴槽に入ると、今度は血管の膨張で血圧が129㎜Hgと急に下がり、意識を失って溺死をする危険も。東京都長寿医療センター研究所によると、入浴してから6分間で30~90㎜Hg血圧が下がると失神してしまうというデータもあります。さらに洗面所でパジャマを着ると、168㎜Hgまで血圧が上がって心筋梗塞や脳出血を起こす危険があります。
実は浴槽での溺死・溺水は、家庭内事故死の原因の中で最も多く、35.4%を占めています(厚生労働省人口動態統計 平成25年)。これを防ぐためには、各部屋の室温を平均化すること。リフォームで家自体の断熱性能を高めるとともに、浴室や浴槽の断熱化、浴室乾燥暖房機の導入などを考えていきましょう。
床・壁・天井も断熱化しよう
ヒートショックを起こさないようにするには、リフォームでの浴室の断熱化は欠かせません。年を経るごとに進化を続けているユニットバスは、あたたかい浴室づくりという点でも優れた商品を発売しています。ユニットバスは、LIXIL、Panasonic、TOTO(アルファベット順)などのメーカーがありますが、浴室全体の床や壁・天井まで断熱材を入れて、すっぽりと断熱しています。特にあたたかい湯気は上に行く性質があるため、熱が逃げやすい天井部分にも断熱材入れることで、あたたかい空気が逃げるのを防いでいます。
また、浴槽も断熱化した商品が人気を集めています。発泡ポリスチレン断熱材などで浴槽を丸ごと包み込み、夜遅く帰って来てもお湯が冷めず、いつでもあたたかいお湯に入ることができます。浴槽の蓋も断熱材入りを使用。そのため追いだきをする回数が減り、年間の燃料代も減らせます。
浴室に足を踏み入れて、ヒヤッとしたことがありませんか。タイルなどの床材が地面からの冷気を受けて冷たくなっているのです。それを防ぐために開発されたのが、断熱材を入れた床材。発泡ウレタンや発泡ポリプロピレンなどの断熱材が入っており、断熱性を高めるとともにクッション性も加味しています。浴室床暖房を取り入れればさらに快適です。
在来工法で作るときにも浴室の断熱性能を高めるようにしましょう。断熱材入りの浴室パネルや断熱浴槽も市販されているので、これらを使って断熱化を計りましょう。
洗濯物も干せる浴室乾燥暖房機
浴室の断熱化をしたら、冬の寒い時期を乗り越えるため、浴室乾燥暖房機を設置してさらにあたたかい浴室を目指しましょう。後付けもできますが、リフォーム時に同時に工事をすればすぐに快適な入浴タイムを過ごせます。入浴前30分~1時間前にスイッチを入れ、浴室全体をあたためます。入浴中は、体が濡れているので強い風が当たると寒くなってしまうので、弱風にします。
梅雨のじめじめしたときや雨で外に干せないときには、浴室が衣類乾燥室になります。外気温25℃の場合、約3時間で乾いて電気代も120円前後(浴室の造りにより時間と電気代は変わります)。入浴後は、換気機能を使えば浴室の湿気の解消を手助け。空気を入れ替えることで、すがすがしい環境を作ってくれます。意外と便利なのが涼風機能。夏にお風呂に入ると体がほてってしまいますが、扇風機のように涼風が吹いてきて蒸し暑さを解消してくれます。
自宅にサウナを入れたいけど、スペースがない。そんなときにおすすめなのが、ミストサウナ。東京ガスや大阪ガスをはじめ、全国のガス会社が取り扱っています。ミストサウナは浴室乾燥暖房機の機能のほかにサウナ風呂の機能をプラス。通常のドライサウナは、温度70~100℃、湿度10~15%ですが、ミストサウナは温度40~42℃、湿度100%。低温でサウナ効果があり、肌や髪の毛を傷めることがありません。体を芯からあたため、毛穴の汚れも取ってくれます。ミストサウナが終わったあとは、浴室乾燥をしっかり行えばカビの発生を防いでくれます。
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