リフォームを学ぶ | 風呂・浴槽
風呂・浴槽
更新日:2024年12月24日
お風呂のユニバーサルデザインを考える NEW
ユニバーサルデザインって何?
すべての人が利用しやすいように、製品・環境・建物などをデザインすることをユニバーサルデザインといいます。また、高齢者や障害者が使いやすいように考えたのが、バリアフリー。ユニバーサルデザインは、自身も障害者であったアメリカ・ノースカロライナ州立大学のロナルド・メイスが、バリアフリーの概念に代わって打ち出した設計思想です。浴室もバリアフリーであるとともにユニバーサルデザインでなければいけません。ユニバーサルデザインの原則は、次の7つがあります。
①誰でも公平に使用できること ②使う上で自由度が高いこと ③使い方が簡単で直感的にわかること ④必要な情報がすぐに理解できること ⑤うっかりミスや危険につながらないデザインであること ⑥無理な姿勢を取ることがなく、少ない力で楽に使えること ⑦使用者や使用環境にかかわらず、使いやすい大きさと広さを確保していること
浴室はお湯や石けんを使うので床が滑りやすくて危険ですし、深い浴槽に入るときによろけて頭からお湯の中に入ってしまうといった事故もあります。また、洗面器や風呂椅子、シャンプーやコンディショナーなどのボトルなど、いろいろ細かい小物がたくさんあります。こういったものに足を引っかけて転ぶことがあるので、浴室収納棚に入れて整理しましょう。床に直に置くとカビが発生しやすいので床から離し、スポンジなどは壁に掛けるようにしておくと水を切ることができます。
高齢者の寝室は浴室の隣に
浴室の間取りにも気をつけたいもの。リフォームで高齢者の寝室を浴室の隣にすると、寝室から直接浴室に行けるので便利です。ドアは、開き戸ではなく引き戸にし、開口部を大きく取って車椅子でも行き来が楽なようにするといいでしょう。引き戸は戸を収納するスペースが必要になりますが、開き戸と違って大きく開けられるのが特徴。できれば、寝室と浴室のドアは3枚の戸が連結した3枚引き戸にしましょう。通常の引き戸や2枚引き戸よりも広く開けられます。3枚引き戸はLIXILやTOTO、YKK APなどのメーカーで扱っています。
浴室は、洗面所、トイレと合体した3イン1スタイルのワンルームがおすすめ。欧米では一般的に用いられている様式です。このタイプは、仕切りがないため狭いスペースでも広がりが感じられ、明るく仕上げることが可能。車椅子で動くのも楽で、介護もしやすくなります。洗面台は車椅子に座ったままで利用できるタイプが便利でしょう。
浴室と洗面所(脱衣所)に大きな段差があると、足を引っかけて大ケガをすることがあります。今までは、洗面所の方に水がもれないように段差がありましたが、最近の商品は、浴室の床面になだらかな傾斜をつけることによって、洗面所に水がもれないような工夫をしています。そのため、最小限の段差になってきました。
画像:浴室用3枚引き戸(LIXIL)
立ち座りや移動が楽な手すり
浴槽をまたいで入るときにエプロン(床から浴槽の上部までの高さ)が高いと、体のバランスを崩してしまうことがあります。エプロンの高さは40㎝前後にし、できるだけ床との段差を抑えるようにするといいでしょう。
洗い場や浴槽への移動を楽にしてくれるのが、手すりです。ユニットバスの場合、下地を作らないと手すりを設置できないケースもあるので注意が必要。手すりは以下のように設置します。
・洗い場の移動用…75~85㎝くらいの高さに横の手すりをつけます。
・洗い場の立ち座り用…60㎝くらいの高さに縦の手すりをつけます。
・浴槽の出入り用…浴槽の手前のフチのところに縦の手すりをつけます。
・浴槽内の立ち座り用…浴槽の10㎝くらい上の高さに、L字型もしくは横の手すりをつけます。
また、浴室に入るドアの近辺に縦の手すりをつけると便利です。浴室側、洗面所側の両方につけるといいでしょう。
滑りやすい床も危険。水はけを良くし、入浴したすぐあとに乾いた状態になる床材を使うことをおすすめします。水がすぐに排水口に流れることで、カビの発生を抑える効果も。水栓もユニバーサルデザインのものを選ぶと、誰でも楽に使用することが可能に。アーチハンドルタイプは大きなアーチのハンドルを押すだけで、お湯の吐水・止水ができます。左右どちらからでも操作でき、大きなハンドルなので目をつぶっているシャワー中でも操作しやすいのが特徴。タッチ水栓は、軽く押すだけで操作可能で、握力が弱い高齢者や子どもでも簡単に吐水・止水ができます。
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