キッチン

更新日:2025年05月01日

システムキッチンとは?種類や選び方のポイント、人気のおすすめを紹介

掲載日:2021年10月4日

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システムキッチンには様々な種類があるだけではなく、製造や販売を行っているメーカーが多いという特徴があります。

そのためシステムキッチンの種類や具体的な違いが分からず、どのようなポイントに気を付けてシステムキッチンを選べばよいのか分からないという方もいるでしょう。

そこで、今回はシステムキッチンの種類ごとに特徴を解説し、通常のキッチンとの違い、システムキッチンのメリット・デメリット、商品を選ぶときのポイントについてくわしく紹介します。

システムキッチンとは

システムキッチンとは、コンロ、シンク、作業台(ワークトップ)、収納スペースなどの設備が天板によって繋がった一体型のキッチンのことをいいます。

コンロやシンクなど以外に食洗器などをオプションで組み込むことができる製品もあるため、従来型のキッチンよりも機能性に優れるものを導入しやすい特徴があります。

また、設備の仕上げに使う素材や色を同じもので統一しやすいため、デザインに統一感を出すことができます。これにより、キッチン全体がすっきりと整理された印象にしやすいでしょう。

システムキッチンはレイアウトによって数種類に分けられ、それぞれキッチンの形状やレイアウトが異なります。

以下では、システムキッチンの種類ごとの特徴を簡単に解説します。

I型キッチン

I型キッチンはコンロ、シンク、作業台が横一直線に並ぶシンプルなシステムキッチンです。

最大の特徴は他のタイプと比べて動線を圧迫しづらく、狭いスペースにも設置しやすいことです。そのため、単身者向けの賃貸住宅などにも導入されることが多いです。

横一直線の形状をしているため動線が平行となりやすく、誰にとっても使いやすいキッチンにしやすいでしょう。

しかしキッチンの横幅を広く取り過ぎることにより移動距離が増え、作業効率が悪くなることがあるので注意しましょう。

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画像:クリナップ

II型キッチン(セパレート型キッチン)

II型キッチンはI型キッチンとアイランド型キッチンの両方のメリットを組み合わせたようなキッチンで、セパレート型キッチンとも呼ばれます。

II型キッチンは作業台を2か所設置し、コンロとシンクのふたつをそれぞれ別々の作業台に分けるのが特徴です。

そのため、「コンロの隣の作業スペース」と「シンクの隣の作業スペース」の2か所を作業に使用することができ、他のキッチンよりも広々とスペースを使いやすくなります。

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画像:LIXIL

L字型キッチン

L字型キッチンはコンロ、シンク、作業台をL字型に折れ曲がる形で設置するキッチンのことをいいます。

多くの場合キッチンの両端にコンロとシンクを設置し、作業台が挟まれる形になります。

そのため作業台のスペースが広くなりやすく、複数人での作業がしやすい特徴があるでしょう。

また、作業スペースを広く取りつつ移動距離を短く抑えられるメリットがあるため、1人での作業効率にも優れています。

ただし、作業台のコーナー部分がデッドスペースになりやすいというデメリットがあるため、収納などに有効活用できる方法を考える必要があるでしょう。

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画像:TOTO

アイランド型キッチン

アイランド型キッチンは、コンロ、シンク、作業台の3つを、壁に面さず独立した小島のように設置するキッチンのことをいいます。

他のキッチンのように壁に面して設置しない分、回遊できる通路や増えるので、快適な動線を確保しやすいメリットがあります。そのため、複数人での調理作業や、作業をしながらコミュニケーションを取ることに向いています。

開放的な印象のキッチンにしやすいので、キッチンに複数人が立つことが多い家族世帯などから特に人気が高いでしょう。

一方、室内に臭いや煙が拡散・充満しやすいデメリットがあるため、適切な換気扇を導入するなどして油汚れや煙対策が必要になります。

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画像:Panasonic

ペニンシュラ型キッチン

ペニンシュラ型キッチンは側面のどちらか一方が壁に面している対面式のキッチンです。形状が半島(ペニンシュラ)のように見えることから、ペニンシュラ型と呼ばれます。

アイランド型キッチンと同様開放感のあるレイアウトを作りやすく、複数人での作業やコミュニケーションの取りやすさに優れるシステムキッチンです。

また、ペニンシュラ型キッチンはアイランドキッチンと比べて設置スペースが少なく済みやすいメリットがあります。

アイランド型キッチンはキッチンの左右に通路が空いているため、快適な動線を確保しやすい利点がありますが、逆をいえば左右に通路を空ける必要があるキッチンでもあります。

ペニンシュラ型キッチンは側面のどちらか一方を壁に面して設置できるため、左右どちらかの通路のみを確保できれば設置することができます。

このことから、キッチンのスペースが狭い住宅にも導入しやすいメリットがあります。

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画像:タカラスタンダード

システムキッチンと通常のキッチンの違いは?

システムキッチンとユニット式キッチン(セクショナルキッチン)の違いはどのようなものがあるでしょうか。

ここでは、それぞれの違いについて詳しく解説します。

ワークトップの継ぎ目や段差がない

システムキッチンは各パーツを天板と呼ばれるパーツで1枚に繋いでいる一体型のキッチンであるため、ワークトップの継ぎ目や段差がないものが多いです。

システムキッチンはコンロ、シンク、作業台が一体となっており、全体がフラットになるよう設計しています。

対してユニット式のキッチンはコンロ、シンク、作業台などが独立しており、それぞれのパーツを組み立ててひとつのキッチンにしています。

そのためシステムキッチンと比べるとパーツ間に継ぎ目や段差が生まれやすいです。

製造手順や設置手順が違う

ユニット式のキッチンは各パーツが独立しており、住宅の中で組み立てることで完成します。

そのためコンロ、シンクといった各部がそれぞれ違うメーカーや工場で作られることや、すべて別々のメーカー製品でキッチンができあがることも少なくありません。

対してシステムキッチンは、すべてのパーツをひとつのシステムキッチンとして組み合わせることを前提に同じメーカー内で製作することが多いです。

そのため、パーツを組み立てた際に違和感のないすっきりとしたデザインになりやすい特徴があります。

サイズやスペースが違う

システムキッチンは「間口は180~300cm程度」「奥行きは65cm(ただしキッチンのスペースによっては60cm)」と一般的なサイズが決まっています。

また、メーカー各社は間口は15cm刻みでサイズを規格していることが多く、それらの中から希望するサイズを選択して購入することが多いでしょう。

対して、ユニット式のキッチンは各パーツがそれぞれ独立しているため、取り付けるパーツに応じてキッチンのサイズやスペースが若干変化することがあります。

システムキッチンのメリット

システムキッチンを導入するメリットは、大まかに次のふたつに分けられます。

  • デザイン性・機能性が高い
  • お手入れやメンテナンスがしやすい

  • 以下でそれぞれ詳しく解説します。

    デザイン性・機能性が高い

    システムキッチンはシンク、コンロ、作業台などが一体になった状態でひとつの製品となるよう製作することが一般的です。

    そのためすべてのパーツでデザインが統一されやすく、パーツ同士で不備などが起こるリスクを減らせるため機能性も高くなりやすいです。

    15cm刻みでキッチンのサイズを選ぶことができるので、住宅に合った適切なサイズのキッチンを設置することもしやすいでしょう。

    また、システムキッチンの製品自体にさまざまなバリエーションがあるため、好みの見た目や機能のものを選びやすいメリットもあります。

    製品によっては、希望に応じてビルトインタイプの食洗器を導入するなども可能なため、カスタマイズ性も高いです。

    お手入れやメンテナンスがしやすい

    システムキッチンはワークトップ部分を1枚の天板で繋いでいるため、隙間や継ぎ目、段差などがありません。そのため埃や汚れが溜まりやすい箇所が少なく、掃除やお手入れがしやすいメリットがあります。

    継ぎ目や段差をなくすことによりデッドスペースを解消しやすく、結果的に作業台を広く使いやすくなるので、作業効率に優れたキッチンを実現しやすくなるといえるでしょう。

    また、製品によっては追加オプションで収納スペースや食洗器などを増設することもできるため、それらを利用することでさらに掃除やメンテナンスの負担を減らすことができるでしょう。

    システムキッチンのデメリット

    システムキッチンはデザインや機能性に優れているメリットもありますが、場合によってはデメリットとなり得るケースがあります。システムキッチンを選ぶ前によく確認しておくことが重要となるでしょう。

    ここでは、システムキッチンのデメリットや注意点を紹介します。

    追加の工事が発生することがある

    システムキッチンを住宅に設置するための給水管や排水管、ガス、電気の配線などに不備がある場合、それらを施工するための追加工事が発生することがあります。

    その場合、配管や配線への工事が必要となるため、追加の費用が別途必要となる場合があるので、注意しましょう。

    リフォームはこうした工事が急遽必要になるケースもあるため、追加の工事が起こるかどうかを見積りの段階でしっかり確認しておくことが重要です。

    特定部分のみの交換が難しい

    システムキッチンは構造上、それぞれのパーツが一体となり、ひとつのキッチンにまとまっていることが一般的です。

    そのため、ユニット式キッチンなどのように特定部分だけを分離されて交換することが難しい場合があります。

    たとえば、コンロだけを交換したい場合であっても、一体型であることを理由にワークトップやシンクごと交換することが必要になりやすいです。

    キッチンの一部だけを交換したい場合であっても費用が高額かつ大規模な工事になってしまうことがあるので、注意しましょう。

    システムキッチンを選ぶ時のポイント

    システムキッチンには製品やメーカーによってそれぞれ特徴が違うため、どのようなポイントを重要視するかで導入する製品は変わってくるでしょう。

    ここでは、システムキッチンを選ぶ際のポイントについて解説します。

    作業台の耐久性が高いキッチンを選ぶ

    作業台(ワークトップ)はキッチンの中でも使用頻度が高いだけではなく、作業時に何かと衝撃を受けやすい箇所です。

    そのため、システムキッチンに使用しているワークトップの素材に注意し、簡単に傷がつきにくい素材のものを選ぶことをおすすめします。

    傷がつきにくく耐久性が高い素材の例としては、ステンレスや人工大理石、ホーローを使ったシステムキッチンが挙げられます。

    収納スペースが多いキッチンを選ぶ

    システムキッチンを選ぶときは、なるべく収納スペースが多いキッチンを選ぶことをおすすめします。

    その理由は、収納スペースの豊富さ次第で、キッチンでの作業の準備や後片付けの効率を上げることができるメリットがあるためです。

    たとえば、シンクやコンロの下の収納スペース、引き出し式のフロアキャビネットが採用されているシステムキッチンであれば、開けたときに何が入っているのかをすぐに見分けることができます。

    シンクは洗い物の量や大きさをイメージして選ぶ

    キッチンのシンクを選ぶときは、洗い物の量や調理器具の大きさを考慮して選ぶと良いでしょう。

    たとえば、洗い物の量が多いにもかかわらずシンクの幅や奥行きが狭いと、その分食器がかさばり洗い物の効率が下がってしまいます。

    また反対に、洗い物の量が少ないにもかかわらずシンクの幅や奥行きを広く取り過ぎると、その分不必要に作業台のスペースを狭めることになってしまいます。

    シンクを選ぶときは想定される洗い物の量や大きさを考慮し、作業台との広さのバランスを考えながら選ぶようにしましょう。

    蛇口の使用感や取り付けできるかどうかを確認する

    キッチンにおいて蛇口の使用感は重要です。水栓をひねって水を出すものやレバーを引いて水を出すものなど、蛇口にはさまざまな種類があり、使い心地も異なります。

    ただし、システムキッチンの製品と設置する蛇口のタイプによっては、特定の製品が使用できないケースがあります。

    そのため、まずはご自身が最適と考える蛇口がそのシステムキッチンに導入できるかどうかを確認することが重要です。

    また、実際にその蛇口を導入した場合の使い心地や、掃除・お手入れのしやすさなども確認しておけると良いでしょう。

    まとめ

    今回は、システムキッチンの種類ごとに特徴を解説し、通常のキッチンとの違い、システムキッチンのメリット・デメリット、商品を選ぶときのポイントについて紹介しました。

    システムキッチンを選ぶときは、追加工事の発生などに注意しつつ、実際に使用する状況を想定して、住宅に合った最適なものを選ぶことが重要です。

    リフォームを検討する際には、リフォーム会社のプランナーなどに、「どのタイプのシステムキッチンを導入するべきか」「レイアウトの設計はどうすればいいのか」などを相談し、アドバイスをもらうことも有効なので、導入前にぜひ検討してみてください。

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