ノウハウ

更新日:2026年05月11日

”見積依頼”で失敗しないために ―リフォーム事業者の本音「助かる対応」ランキング NEW

掲載日:2026年5月11日

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1 はじめに

どこの事業者、工務店に依頼するか?いろいろと悩みつつ行うのが「問い合わせ」や「見積依頼」です。最近では、ポータルサイトや工務店のホームページを通じて、気軽に相談できるようになりました。

リフォーム以外でも「一括見積」「一括査定」などを前面に出して、お客様を引き付けるサイトも多いですよね。不動産売却、中古車、自動車保険、引っ越し・・・
私は数年前に「引っ越し」をする際に「引越料金一括見積サイト」を使いました。匿名で、メールアドレスか電話番号だけで、どのくらいの費用になるか聞きたくて。
その日のうちに何社からも返信、電話がありました。でも「下見をさせてくれないと見積は出せない」というところも数社ありました。結局、どこにも依頼しませんでしたけど。

最初のやりとりを、サイトやメールで行うことは気軽だし、便利・・・
一方で、その“気軽さ”ゆえに、リフォームにおいては、リフォーム事業者・工務店との間でちょっとした行き違いや誤解が生まれてしまうこともあります。

今般、リフォーム評価ナビでは、ポータルサイトや、自社ホームページを通じて問合せや見積依頼を受けた際に、リフォーム事業者が、そのお客さまにぜひお願いしたいことに関するアンケートを2026年3月に行いました。

この記事では、アンケート結果をもとに、「工務店側がどんなことを望んでいるのか」をご紹介します。それを少し意識するだけで、よりスムーズに、そして、より良いプラン、提案を受けられるようになるはず。ぜひ最後までお読みください。

2 まず知っておきたいこと:「見積=すぐ出るもの」 ではありません

写真:2 まず知っておきたいこと:「見積=すぐ出るもの」 ではありません
このグラフは、リフォーム事業者に「WEB経由で問合せや見積依頼をするお客さまにお願いしたいことは何ですか?」との質問への回答です。

最も多く挙がったのが、

 「正確な見積には現地調査が必要であることを理解してほしい」 (80.2%)

という点でした。
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私が引っ越し見積サイトで行ったように、多くの方が「とりあえず金額だけ知りたい」と思って問い合わせしがちですが、リフォームは一件一件条件が異なるため、実際に現場を見ないと正確な見積金額は出しにくいものです。

例えば、同じ「キッチン交換」でも、
選択するキッチンのグレード
  配管の状況(給水管・排水管の位置など)
  搬入経路(工事車両、運搬車両は近付ける場所か)

などによって費用は大きく変わります。簡単に「はい、50万円です!」なんて見積書を出すわけにはいきません。

そのため、問い合わせの段階では、工務店に詳細な見積の提示を求める前に、「まずは現地調査を前提に考えておく」ことが、結果的にスムーズで納得感のあるリフォームにつながります。

3 できるだけ具体的に伝えると、提案の質が上がります

写真:3 できるだけ具体的に伝えると、提案の質が上がります
次に多かったのが、「情報をもう少し詳しく教えてほしい」という声です。

アンケート結果では、

「リフォーム箇所・内容の具体的な記載」 (61.5%)
「予算の目安を正直に教えてほしい」 (53.1%)
「リフォーム時期の明確化」 (50.0%)

といった項目が多く挙げられています。
これは裏を返せば、「情報が少ないと、お客さまにとって適切な提案がしづらい」ということです。

たとえば、
「お風呂をリフォームしたいです」だけでなく、

   希望は、タイル張り在来浴室なのかユニットバスなのか
   現在、どんな不満があるのか(寒い、掃除が大変など)
   いつ頃までにやりたいのか
   だいたいの予算感

などを伝えるだけで、工務店側は具体的な提案がしやすくなります。
「まだ、はっきり決まってないから…」と遠慮する必要はありません。分かる範囲で構いませんので、できるだけイメージを共有することが大切です。

4 おおまかな「予算」を伝える

写真:4 おおまかな「予算」を伝える
「予算を先方に伝えると高く見積もられるのでは?」と不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、アンケートでは半数以上の事業者が、

「予算の目安を正直に教えてほしい」 (53.1%)

と回答しています。予算の上限が分からないままだと事業者は、

   実現できないプランを提案してしまう
   逆に控えめすぎる提案になる

といったミスマッチが起きやすくなります。

あらかじめ予算感を共有することで、「その範囲でできる最適な提案」を受けやすくなります。結果として、やり取りの回数や時間も減り、効率的に話が進みます。

5 実は困っている・・・「連絡がない」問題

少し意外かもしれませんが、多くの工務店が困っているのが、

「結果的に工事を依頼しなくなった場合の連絡がほしい」 (68.8%)

という点です。

見積を取ったあと、「他社に決めた」「今回は見送ることにした」といった場合でも、一言連絡を入れるだけで、工務店側は安心できます。

リフォームの見積は、図面を作成したり、現地を確認したりと、一定の時間と手間がかかっています。連絡がないままだと、「どうなったのか分からない」という中途半端な状態が続いてしまいます。

難しいことではありませんので、「今回は見送ります」「他社に決めました」といった簡単な一報を入れることをおすすめします。

6 「相見積もり」も数が多すぎると逆効果に

写真:6 「相見積もり」も数が多すぎると逆効果に
複数の会社に見積を依頼する「相見積もり」は、一般的です。

ただし、アンケートの自由意見では、
   「数多く何社にも依頼して、自分が混乱している方がいる」
   「4~5社以上になると判断が難しくなる」
といったリフォーム事業者の声も見られました。

比較検討する会社が多くなりすぎると、「お客様自身も、どれが自分に合っているのか分からなくなる」といった状況になりがちです。

目安としては、2~3社程度に絞ると、それぞれの提案をじっくり比較しやすくなります。

また、
   「相見積もりである場合は事前に伝えてほしい」 (40.0%)

という回答もありました。

事前に伝えることで、工務店側も比較を意識した提案がしやすくなりますので、遠慮せずに伝えても問題ないかと思います。

7 強み・実績・口コミを吟味して、「相見積もり」ゼロもあり

写真:7 強み・実績・口コミを吟味して、「相見積もり」ゼロもあり
単純に「自宅に近いから」、「工事費が安そうだから」だけで、依頼する事業者を決めることはないかと思います。

エアコンの交換、給湯器の交換といった、設備交換だけであれば、「価格が少しでも低いところ」!もあるかもしれませんが、内外装工事も含めたリフォーム・リノベーションであれば、自分が描いている理想形、完成形を実現してくれそうな事業者を探す必要があります。当然、価格がリーズナブルであれば、ベターですけど。

したがって、工務店の特徴を理解しないままで、複数の会社に見積を依頼する「相見積もり」は、手間が増えるだけになってしまいます。

   工務店の特徴点、強み、得意分野は何か?
   自分がやりたいリフォームを実現してくれそうな工務店か?
   施工事例の写真がサイトに掲載されているか?
   実際にリフォームを行った施主の評価、口コミはあるか?

このような情報を、その工務店のホームページやポータルサイトで、まずは、時間をかけてじっくり調べる、読み込むことから始めましょう。

そうすると、自分が気に入った工務店は、自ずと数は絞られてくるはず。場合によっては、複数社に見積依頼をするのではなく、「決め打ち」で1社のみに相談、問い合わせを行うことも当然「有り」です。

実際に「リフォーム評価ナビ」を通じた見積依頼では「1社」のみという事例はたくさんあります。リフォーム事業者の店舗ページ、口コミ、施工事例写真をじっくりご覧になったから・・・だと思います。

8 メールだけでなく、時には「会話」も大切です

最近は「電話は避けたい」「メールだけでやり取りしたい」という方も増えています。
しかしアンケートでは、

 「必要に応じて電話連絡の許可をしてほしい」 (38.5%)

という声も一定数ありました。

リフォームは細かなニュアンスや条件の確認が必要なため、メール文だけでは伝わりにくいこともあります。
   
   内容が複雑になってきたとき
   誤解が生じそうなとき

には、短時間でも電話で直接会話をすることで、以降のやり取りがスムーズになるケースもあるでしょう。

9 写真や図面があると、ぐっと話が早くなります

写真:9 写真や図面があると、ぐっと話が早くなります
このグラフは、リフォーム事業者に「WEB経由の問い合わせ対応で工夫していることは?」という質問への回答をグラフにしたものです。

工務店側の工夫として最も多く挙げられていたのは「現地調査をお願いする」「現地調査無しでは見積ができないことを説明する」が多くありました。また、

 「写真や図面を送ってもらうよう依頼している」 (38.5%)

という点も大切なポイントです。もし可能であれば、
   
   リフォームしたい場所の写真
   間取り図や図面

などを見積依頼の際に添付すると、もしかしたら、工務店側も現地調査の前でも、ある程度の判断ができるようになるかも知れません。これにより、

   概算見積の精度が上がる
   打ち合わせの効率が上がる  

といったメリットがあります。

スマートフォンで撮影した簡単な写真でも十分役立ちますので、ぜひ活用してみてください。

10 WEB問い合わせは「入口」。本当の検討はそこから始まります

アンケートによると、WEB問い合わせから実際に受注・契約につながる割合は、
「1割~3割程度」が最も多い (40.6%)という結果でした。

つまり、多くの問い合わせは「情報収集」や「比較検討」の段階にあります。

これは決して悪いことではありませんが、工務店側から見ると、「どのくらい本気度があるのか」が分かりにくいという側面もあります。
逆に言えば、

   きちんとした情報を、できるだけ多く伝える
   現地調査に応じる
   やり取りに早めに対応する

といった行動を取ることで、「このお客様は真剣だな」と伝わり、より丁寧で踏み込んだ、かつ、あなたの立場に立った提案がでてきやすくなるはずです。

まとめ:ちょっとした配慮が、より良いリフォームにつながります

写真:まとめ:ちょっとした配慮が、より良いリフォームにつながります
リフォームの問い合わせは、決して難しいものではありません。ただ、ほんの少し意識するだけで、やり取りの質が大きく変わります。

最後にポイントをまとめると、

   正確な見積には現地調査が必要と理解する
   希望内容や予算や時期の目安をできるだけ具体的に伝える
   相見積もりは適度な数にして、結果的に依頼しない場合も一言連絡する

といった点が挙げられます。

工務店とお客様は、どちらか一方が「選ぶ・選ばれる」という関係ではなく、一緒に住まいをつくっていく“パートナー”と考えてはいかがでしょうか?

そして、お互いに少しずつ歩み寄ることで、より良いリフォームが実現しやすくなります。

これから見積依頼や問い合わせをされる方は、ぜひ今回の内容を参考にしてみてください。きっと、納得のいくリフォームへの第一歩になるはずです。

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◆執筆者
一般財団法人住まいづくりナビセンター 専務理事 
河田 崇

元 独立行政法人 住宅金融支援機構 部長
工務店向けの省エネ基準解説書や木造住宅工事仕様書の作成などに従事
マンション管理士 建築基準適合判定資格者 2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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